中外製薬株式会社
【仕事内容】
タンパク質科学や相互作用解析分野の専門性を通じた創薬/技術プロジェクトの推進
・各種評価手法を用いた分子間相互作用解析
・環状ペプチドや低分子のスクリーニング後におけるヒット化合物の特定
・ヒット化合物の結合様式、機能、作用機序の解明
・Hit to Lead段階における化合物の結合活性情報の提供
・各標的分子に応じたアッセイ系の構築、プロジェクトの進捗に応じた系の選定と最適化
・分子間相互作用解析技術の開発(従来法では定量解析が困難な標的や相互作用に対応する新技術の開発、スループット向上を目的とした、wet/dry両面からの技術開発)
募集の背景:
◆革新的医薬品創出の最前線へ ?? タンパク質科学の力で未来の医薬品を創造する。 中外製薬は、独自のサイエンスと先端技術を駆使して革新的新薬を創出し、2030年までにR&Dアウトプットを倍増させる挑戦的目標に取り組んでいます。この壮大なビジョンの中核を担うのが、2021年に新設された私たちタンパク質科学研究部です。
◆なぜタンパク質科学研究部なのか? 当部では、タンパク質科学の専門性を核に、疾患の鍵を握る標的タンパク質を分子・原子レベルで徹底的に理解し、その知見を基盤として全ての創薬モダリティ(低分子、中分子、抗体、新規モダリティ)に関わる研究部と密な連携をとることにより、各モダリティの可能性を最大化しつつ革新的医薬品の創生を実現しています。創薬早期研究を中心に創薬プロセス全体に深く関わることで、科学的発見を通じて実際の治療薬を生み出す醍醐味を日々体験できます。
◆私たちの強み
・技術の融合: タンパク質調製・立体構造解析・相互作用解析・質量分析・計算科学など、最先端技術が一つ屋根の下に集結しています。
・横断的視点: 全モダリティ・全創薬ステージへの関与により、創薬全体を俯瞰する稀有な環境となっています。
・専門性と協働: 各分野のスペシャリストが密に連携し、多角的アプローチで創薬難題に挑戦できます。
◆相互作用解析機能:分子間の対話を解き明かし創薬成功のカギを見つけ出す。
相互作用解析機能では、生物物理学的手法(SPR、array SPR、BLI、ITC、bioNMR、LC-MSなど)や、蛍光標識分子を用いた手法(FP、FRET、BRETなど)を駆使し、生体分子と医薬品候補分子との分子間相互作用を様々な視点から精密に解析しています。最先端の相互作用解析技術により、ヒット化合物の特定、作用機序の解明、医薬品候補分子の最適化に向けた結合関連活性の情報取得を進め、新たな発見の起点となるとともに、創薬プロセスの大幅な加速に貢献しています。多様な分野の研究者との部を超えた協働において、我々は相互作用解析の専門知識を活かした独自の視点から薬効メカニズムの解明や最適化戦略の立案等も展開し、創薬研究の推進に貢献しています。プロジェクト数の増加とターゲット分子の複雑化が進む中、高度な相互作用解析の重要性は一層高まっており、複雑な生体分子間の対話を多角的に読み解き、創薬研究の新たな突破口を開ける次世代リーダー候補人財を求めています。
◆未来を共に創る仲間へ
私たちは、タンパク質科学の可能性を極限まで追求し、従来の創薬の限界を超える情熱を持った仲間を求めています。患者さん中心の高度で持続可能な医療を実現するヘルスケア産業のトップイノベーターを目指し、共に挑戦できる研究員のご応募をお待ちしています。あなたの専門知識と創造性が、次世代医薬品の創製を実現することを期待しています。
ヒット化合物の特定においては、False negative(見逃し)を起こさないという責任感を持って業務を遂行していただきますが、同時に新規ヒット化合物の機能性や相互作用のユニーク性に最初に気づける業務でもあります。得られた知見をもとに部内外の多様な専門性を持つ研究員と緊密に連携し、理解を深めながらプロジェクトを主導していただきます。ヒット特定後は、化合物設計に不可欠な相互作用パラメータを取得し、他部署との協働を通じて誘導体の最適化を推進することで、創薬プロジェクトの大幅な加速を実現します。
中外製薬は、患者さんの遺伝子情報などに応じて治療計画を立てる「個別化医療」の国内パイオニアとして、その進展に貢献してきました。
現在では、より高度で、患者さん一人ひとりに最適な治療を行う次世代の個別化医療を牽引すべく、ゲノム解析技術を駆使した個別化医療の提供やがんゲノム医療の進展などに取り組んでいます。