株式会社INPEX
【部署紹介(部門の業務概要等)】
技術研究所では、以下のような研究開発活動に取り組んでいます。
・I-RHEXユニット研究開発
クリーンエネルギー技術(CCUS、低コスト水素製造等)の研究・開発を行う開かれた拠点として、広く企業、大学、研究機関等との連携、協働を通じて社会のEnergy Transformation(EX)に貢献するため、現在は以下の4つのテーマで研究開発に取り組んでいます。
① 水素・アンモニア等の製造・輸送に関する新たなクリーンエネルギーサイクルの開発
② SAF等の環境負荷の低い燃料製造技術の開発
③ 効率的なCO2回収・輸送技術の開発
④ 高付加価値地下資源回収技術の開発
・基盤技術ユニット研究開発
当社の有する既存石油開発技術を発展させ、効率的なプロジェクト開発、生産アセットの効率安定操業、CO2地下貯留などに必要となる技術の追求を行うため、現在は主に以下のテーマで研究開発に取り組んでいます。
① 貯留層技術に関する研究(原油増進回収技術の高度化、CO2地下貯留を安全かつ効率的に推進するための技術の追求)
② 金属材料技術に関する研究(操業問題解決のための配管材料評価、パイプライン鋼管に対する水素脆化評価)
【部門の今後の方向性・中途採用募集の背景】
INPEXでは過去に例を見ない研究開発業務の拡大を実施しており、安全衛生環境を意識しながら研究開発を高効率で実施していくためには、そのマネジメントシステムの継続的改善が必須であり、人材の強化も必要であるため、新規キャリア採用を推進しています。そのため研究開発活動を支えるために必要な安全衛生環境マネジメントシステムの運用、維持管理、継続的改善業務をリードできる人材を募集しています。
【職務内容】
技術研究所(I-RHEXユニット、基盤技術ユニット)における以下の業務に関するリーディングおよび管理
(1) HSE(Health, Safety and Environment)マネジメントシステム運用
詳しくは、HSE年間プログラム運用管理、マニュアル・規定類文書管理、安全衛生環境に関する仕組みと活動の継続的改善、BCPなど、教育訓練・力量管理
(2) 各実験室・分析室における安全衛生環境管理、コンプライアンス対応
(3) HSEに関する官公庁届出業務対応、窓口業務
(4) 研究開発チームの実験分析リスクアセスメント、化学物質リスクアセスメントの運用管理
(5) 社内外の研究開発プロジェクトに対する安全衛生環境関連対応業務
(6) Securityに関する委託会社の管理
(7) 大規模工事のリスクアセスメント、HSE管理、工事監督
■本ポジションの魅力/応募者様へのメッセージ
当社は「責任あるエネルギー・トランジションの実現」を使命とし、エネルギーの持続的な安定供給の責任を果たしつつ、ネットゼロカーボン社会への貢献を目指しています。技術研究所では、I-RHEX※ユニット、基盤技術ユニットという2つの部門により、それぞれ「CO2回収・利用技術、次世代燃料製造技術、鉱物資源回収技術等、地球環境へ貢献できる事業を実現するための研究開発」、ならびに「既存石油・天然ガス開発を効率的に行うための研究やその技術を発展させたCO2地下貯留技術についての研究開発」を進めています。これら研究開発活動を円滑に行うためにも、従業員の安全・衛生・環境を良好に維持管理すること、地域社会および周辺環境に対する環境負荷を最小化することが最も大切な業務の一つとなっております。研究開発拠点におけるHSE担当業務は、研究開発の成果を最大化するためにも必須の役割です。そのような高い目標意識をもったHSE担当者を募集しています。
■企業の魅力
1)大手石油メジャーと肩を並べる事業規模の石油開発会社
・石油、天然ガスの生産量は2022年段階で62万バレル/日。これは石油メジャーであるエクソンモービル(アメリカの石油メジャー)やトタル(フランスの石油メジャー)に次ぐ生産量
・INPEXは事業の9割は海外。その中でも豪州でのイクシスプロジェクトは天然ガス事業で大規模に事業展開中
~イクシスプロジェクトについて~
オーストラリアの天然ガス田(地下2000m)から掘り出し、シクシスの施設で少し精製したのちパイプラインでダーウィンにある液化プラントへ繋ぎ、年間約890万トン生成し、東京や台湾へ輸出している世界最大規模の天然ガス供給プロジェクトで、1000〜1200人のオペレーターを抱えた業務規模で現在も日本国の天然ガス需要に大きく貢献している
2)2050ネットゼロカーボン社会に向けて
・ネットゼロ5分野と、石油天然ガス分野の二刀流で、2030年にCO2排出30%オフ、2050年にゼロカーボンの実現を目指している
・ネットゼロの5分野は、①水素、アンモニア事業、②CCUS事業、③再エネ、④カーボンサイクル、新分野、⑤森林に分けてそれぞれに注力
・ネットゼロ5分野に2022年収支(5〜6兆円)のうち2割を投資する方針(0.7〜1兆円)の計画で進行中
3)選択と集中
・アメリカ国のイーグルフォード層でのシェールオイル産出はコロナ禍による原油価格下落によるバランスシート悪化に伴う事業撤退
・集中対象として、石油天然ガス生産はもちろんのこと、以下のネットゼロ5分野としての事業を展開。
◯第一位:豪州(イクシスプロジェクト)、CCUSや、水素アンモニア、森林事業にメタネーション
(メタネーション→CO2をメタンに変える技術。メタンは効率的に水素生成が可能)
◯第二位:アブダビ、主に石油の生産で、CCUS事業も展開
◯第三位:東南アジア(インドネシア、マレーシア等等)、CCUSや、地熱開発、森林事業を展開
※インドネシアのサルーラ地熱発電事業は世界最大規模(出力330Mw)
◯第四位:欧州(ノルウェーが中心)、風力発電事業
◯そして日本国内:伝統的な新潟での事業で、CCUSや、メタネーション、地熱や風力発電事業を展開
4)今後も続く不安定なエネルギー市場の中での存在感
・欧州、アメリカのサプライチェーンと、ロシア、インド、中国のサプライチェーンと二極化分断という構造変化がウクライナ戦争の一件で発生。短期的に見るとコロナ禍明けの中国のエネルギー需要の増加も視野にとらえる必要あり変動の激しいマーケットが続く見通しとなっている。
・しかしINPEX社としては、近年注目されているCCUS事業で日本トップ、世界トップに立つことを目指し、今現在も新潟の柏崎市の南長岡天然ガス田や、ダーウィン近郊にCCS用の鉱区の獲得など、いまもなお着実に技術研鑽をしている。同社は既存の地下数千メートルまでの掘削技術と挙動モニタリング技術を強みにエネルギー市場で存在感を示している。
2040年までのINPEXのビジョンと成長目標:「未来のエネルギーソリューションの提供」