ローム株式会社
■仕事概要:下記ご担当いただきます。
・sicデバイスモジュールの開発
■動向:
エネルギーの有効利用への取り組みが広がる中、その一翼を担うデバイスとしてSiC(シリコン・カーバイド)パワーデバイスが注目されている。パワーデバイスとは、インバーターやコンバーターなどの電力変換器に用いられる半導体素子であり、その用途は、電気自動車、ハイブリッド自動車、エアコンなどのインバーター制御、各種汎用モーターなどが挙げられる。現在、その中核を担っているのは、Siのパワーデバイスである。パワーデバイスの性能は、電力変換時の電力損失(素子のオン抵抗に起因する通電損失とスイッチング速度に起因するスイッチング損失の和)が少なく、より高耐圧な素子ほど高性能ということになる。これまでSiパワーデバイスは、低オン抵抗と高耐圧を実現するため、SJ(Super Junction:超接合)構造、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor:絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)構造などの様々な技術革新により、Si材料の理論限界を超える性能が得られている。しかし、オン抵抗と耐圧には厳しいトレードオフがあり、さらなるブレークスルーがない限り、現状以上の大幅な特性改善は困難と考えられる。また、近年、システムの冷却機構の小型化などの要求からパワーデバイスの高温動作も求められているが、バンドギャップが1.1eV であるSiで、150℃以上を保証するのは非常に困難である。これらの打開策として、低オン抵抗、高耐圧、高速スイッチング、加えて高温動作も実現できるSiCパワーデバイスに大きな期待が寄せられている。
コンサルタント
横山 あかね