M&Aは、適切に実行することによって会社の成長スピードを早めたり、相乗効果を生み出してさらなる成長につなげたりすることができる経営手法のひとつです。ただし、M&Aを盛んに行っている会社がすべてよい会社というわけではありません。なかには、M&Aの結果として買収した会社との相乗効果をうまく生み出せない会社もあります。
M&Aを成功させるためにはM&Aを行う前に綿密な事業戦略を立てておくことと、実行後の経営方針の統一などが重要な要素です。しかし、こういったことを適切にできないまま、M&Aを繰り返している会社もあります。このタイプの会社は、PMIの能力を持った人材を求めています。そこで、M&AとPMIの実態と求められる人材について解説します。
M&AやPMI関連人材ニーズが高い
M&Aは、Mergers and Acquisitionsの略で、買収・合併を意味します。一般的には、資金力がある大きな会社が、技術力などに優れた小規模の会社を買収して新技術を取り入れたり、同業者が合併することで規模を大きくして市場における地位を確保したりする場合に使われます。また、すでに資本参加している会社を完全子会社にする場合などにも用いられる経営手法です。
PMIとは、M&A実行後の経営統合によるシナジー効果を最大化させるために、企業価値向上と長期的な成長を実現するためのマネジメントの仕組みを構築・推進するプロセスのことです。Post Merger Integrationの頭文字をとってPMIと略します。統合プロセスと呼ばれることもあります。M&Aを成功させるには、PMIは欠かせません。PMIを理解している人材がいないと、M&Aは失敗に終わることもありえます。そのため、M&Aを行う会社にとってPMIは重要なポイントといえます。
M&Aが盛んな業界としてはIT業界があげられます。IT業界は技術進歩が早く、M&Aによって開発期間短縮を狙う、いわゆる「時間をお金で買う」会社が多いからです。PMIの能力がある人材はIT業界でのニーズが高いことを認識しておくとよいでしょう。もちろん、PMIはどの業種でも求められますので、IT業界以外でも活躍の場は広がっています。
ニーズはオープンではない
M&Aが盛んに行われれば、PMIへの需要も高まります。しかし、オープンな求人としてPMIに詳しい人材が募集されることはほとんどありません。その理由は2つあります。1つ目の理由としては、M&Aを行うことをオープンにして進めることが少ないことがあげられます。M&Aを行う場合、買収対象に対して情報がもれないように準備を進めることが一般的です。そのため、M&Aに関わることになるPMI関連の募集も外部に漏もれないようにすることになります。一般的な求人誌などに情報を公開せず、ヘッドハンターや転職エージェントなどを通じて優秀な人材を探すケースが多いです。
もう1つの理由は、PMIのノウハウがないという理由で募集することは会社の弱点をさらすことにつながるリスクがあるからです。ただし、M&Aを進めたいがPMIができていないという会社も多いため、転職エージェントに相談するなどの方法をとれば募集している会社を見つけることは可能でしょう。
アピールポイントとメリット
PMIに精通した人材として採用されることのメリットは、経営の中枢で仕事ができる可能性があることです。M&Aは、会社の中心となる事業戦略に基づいて行われます。会社の将来を左右するようなM&A案件が進められることも珍しくありません。PMIは、M&Aの成否を決める重要なポイントです。そのため、M&Aの計画から実行後までM&A案件に関わる中心的な役割を果たす人材として活躍できるでしょう。
PMIのスキルをアピールする方法としては、実績をアピールすることが有効です。自らの貴重なスキルを活かすためにも、転職コンサルタントなどに相談して、PMIの求人を見つけ、積極的にアプローチしてみることをおすすめします。
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