初めての転職やある程度年齢を重ねてから仕事を変えることには、ためらいを感じてしまうかもしれません。しかし、キャリアとは会社に依存せずに自ら築いていくものです。転職を行うことでたとえ一時的に年収が下がったとしても、年齢相応のキャリアがあれば新たな場所で活躍の場を見つけていくことができるでしょう。
大事なことは外部からも評価されるキャリアを積んでいくことにあります。わたしが担当させていただいたお客様も、同じ会社に留まることよりもキャリアアップを優先して見事転職されました。「転職しないリスク」を意識されたお客様の事例を紹介します。
キャリアの伸びしろと将来的な給与アップが決め手
転職活動では、いったん年収が下がったとしても、キャリアアップを優先させる方も多くいます。転職先でキャリアを磨いていくことで将来的な年収アップにつなげていった方の事例を紹介します。
私が担当させていただいたエンジニアのお客様(38歳・男性)は、大学を卒業した後に新卒で特定派遣型のシステム会社に入社、今年で16年目となるベテランのエンジニアです。これまで複数のプロジェクトでシステムの開発から運用・サポート・監視に至るまで、幅広い経験を積まれてきた強みをお持ちです。
現在は契約先の大手SIerのメンバーとして、金融機関のシステム部門に常駐、システム運用の仕事に従事しています。年収は600万円で不満はなかったものの、将来的なキャリアパスに不安を抱きLHH転職エージェントに相談に来られました。結果、プライムSIerへのキャリアアップを志向され、年収は550万円に下がったものの、キャリアの伸びしろと将来的な給与アップが決め手となり、転職することを選ばれました。
3年前は複数の内定。今は内定が出ない。
この転職者は過去に大手SIerへ応募しており、複数の会社から内定を獲得していました。しかし年収が現職と変わらないことを理由に内定を辞退し、転職を断念したという経緯があります。
以前の転職活動から3年が経過し、自らの経験を改めて振り返るとキャリアアップができていないことに気づかれたそうです。そして、年収が全く上がっていない点も将来に不安を抱く要素となりました。このまま現職に留まることで自分のキャリアは頭打ちになり、将来的には通じなくなってしまうのではないかという焦りが湧いてきたそうです。
その後、プライムSIerを中心に転職活動を始めてみたものの「スキル不足」を理由に不採用が続きます。3年前に出た内定すら今は出なくなってしまっていたため、当時転職をしなかったことを後悔したとのことです。しかし、複数の会社にアプローチをしていく中でユーザー系列のSIerから1社内定を得ることにつながりました。
当初は転職に伴い給与ダウンとなる点が気になっていたものの、その一方で現職に留まることのリスクを重く受け止め、しばらくは将来への投資だと考え、キャリアアップを優先して同社に転職することを決意されました。
長期的な視点で転職活動を捉えることが大切
転職すると現職よりも年収アップするものだという期待や誤解は、しばしば生まれやすいものです。しかし、足りないスキルを補うためにキャリアアップしていく場合の転職は、年収がいったん下がってしまうことも頭に入れておきましょう。
むしろ、転職を決めるために大切なことは長期的なキャリアプランをしっかりと立てることです。このお客様の場合は、現職では自分のキャリアが頭打ちになってしまうことに気づかれたことが転職の決め手となりました。長期的な視点でこれまでの経験が活かせる会社に転職を決めたことは正解だといえます。やりとりを通じて、転職後のプランを具体的に描けたことは、転職エージェント冥利に尽きる思います。
LHH転職エージェントの強み
今回ご紹介した事例以外にも、たくさんの職種で実績事例があります。IT系での転職をお考えの方はぜひLHH転職エージェントまでお気軽にご相談ください。
コンサルタント
人事サービス会社で勤務した後、ITエキスパートのサーチ&スカウトを主体としたヘッドハンターとしての活躍。その後、LHH転職エージェント(アデコ株会社)へ入社。IT業界のエンジニアやコンサルタントの支援に精通し、これまで転職支援を行った人数は4,000人以上。