基礎研究へのチャンスを掴むためには?

基礎研究へのチャンスを掴むためには?

2019年10月9日、2019年のノーベル化学賞受賞者が発表され、旭化成名誉フェロー・吉野彰さんが受賞されました。吉野彰さんは、私たちの生活に必要不可欠である、携帯電話、スマートフォン、ビデオ・カメラ、電気自動車に使用されるリチウムイオン電池の実用化を実現させた人物です。テレビのインタビューを拝見すると、71歳には見えないアグレッシブな考え方や、周りを巻き混む力、笑顔が素敵なチャーミングな方でした。そして、この賞を取られるまでの道のりは、想像をはるかに超える年月と苦労、葛藤があった事を知りました。

吉野彰さんのように「社会に多大で劇的な影響を与えた」と大きく認められる研究者と、そうではない研究者は何が違うのかでしょうか。それは先見の目を持ったアイディアと、それをアウトプットできる力があった事だと思います。

 

ここで、日本の研究の現状について調べてみました。日本はこれからノーベル賞が取れなくなるだろうと言われています。年々、発表される論文数も減少傾向にあり、2017年度の日本企業の研究費用は、応用研究・開発に91.7%、基礎研究には8.3%しかかけていません。(※1)基礎研究は、成果が見えるまでに膨大な時間がかかり、成功確率も低い為、各企業では費用を削っているのが現状となります。この研究費用の内訳から、配置される人員の数も比例すると推測され、シーズ探索や基礎研究には、人員をほとんど配置しないということが分かります。その為、人材を外部から採用するという考えには全く至らないのも納得です。

 

では、日本にいる限り、新しい研究、技術を生み出すポジションにアサインされる事は出来ないのでしょうか?答えは、“NO”です。数は多くありませんが、企業より「技術戦略」や「研究企画」の上流求人のご相談をいただきます。ただし、これらの求人はとてもハードルが高く、社内でも競争率が高いポジションです。そのため外部から人材を採用する場合、企業はパーフェクトな人材を求める傾向があります。現職で数多くの実績を有している候補者でさえ、書類がなかなか通りません。また、書類選考を突破しても、面接で落ちる確率が高いです。企業側も全く妥協しないため、採用できないまま長期間そのポジションが埋まらないこともあります。

 

基礎研究へのチャンスを掴むにはどうすればよいのでしょうか。まずは、しっかりと目標をたて、目標を達成するために、行動することです。具体的には、「自社内で実績を積む」「外部(共同研究など)で実績を積んで、名前を売る」など、アウトプットが必要です。その上で、“あったら良いなぁ~”という考え方ではなく、実際に10年後や自分の子供が大人になって持っているもの、役に立つもの、または将来無くなるものは何かを具体的に想像できる方がチャンスを掴むと感じています。吉野彰さんが持つ、先見の目が必要となってくるのです。

  

ご自身を振り返り、アウトプットまでできていないから、今は転職しない方が良いのかもしれないと思うかもしれません。それも1つの答えであり、ご自身のキャリアを見直す良い機会だと思います。しかし、会社にいると日々の業務に追われ、考える時間がなく、自分がどこまで出来ているのかなかなか分からないのは、当然だと思います。そんな時は、ぜひ、LHH転職エージェントを利用してください。自分が研究者としてどれくらい市場価値があるのか、自分を知るには、その道のプロに話す事がアウトプットの第一歩だと思います。是非、お気軽にご相談ください。

 

(※1 出典「我が国の産業技術に関する研究開発の動向(PDF形式:8,810KB)」経済産業省/技術調査)

https://www.meti.go.jp/policy/economy/gijutsu_kakushin/tech_research/aohon2019.pdf

LHH転職エージェントの強み

今回ご紹介した事例以外にも、たくさんの職種で実績事例があります。製薬・医療・化学系での転職をお考えの方はぜひLHH転職エージェントまでお気軽にご相談ください。

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コンサルタント 筏井 蓉子
筏井 蓉子
専門・担当領域:ライフサイエンス&メディカル(化学・バイオ・製薬領域)

人材サービス会社にて、IT派遣営業、人事(新卒採用)を経てLHH転職エージェント(アデコ株式会社)に入社。化学・バイオ・製薬業界を中心に、事業開発、研究開発、技術営業職など、専門技術職の転職をサポート。ライフステージの変化による転職の悩みに親身に寄り添うことを心がけており、中・長期的なキャリアビジョンの構築に強みを持つ。

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