ライフサイエンス&メディカル業界は、超高齢化社会の到来する中で国家成長戦略の柱の一つです。注目度が増すライフサイエンス&メディカル業界において、これまでは、製薬企業を中心に自社で研究開発から製品の提供までを担う「自前主義」が中心でした。従って、従業員側も、1社でキャリアを歩んでいくことが殆どでした。 しかし、現在は「オープンイノベーション/分業化の促進」により、ライフサイエンス&メディカル業界においてもベンチャー/スタートアップ企業も増えておりますので、その背景を説明いたします。
「オープンイノベーション/分業化の促進」によりベンチャー/スタートアップ企業が増えたことの大きな要因として、資金調達がしやすくなったことがあります。 例えば製薬企業では、元々、臨床開発領域において医薬品開発受託機関(CRO)をはじめとする受託サービス企業のニーズは上がっていました。2020年現在、さらなる研究開発費の高騰や研究開発生産性の低下により、今まで以上に自社のみで創薬を完結させることが困難となっています。開発コストの増大に加えて、高齢化に伴い増大する医療費の削減要請を受けた利益減少もあり、結果として、製薬企業では研究開発部門を中心に事業の縮小が続いております。 しかし、病に苦しむ患者様からのニーズは変わらずあるので、製薬企業は今まで以上に外部に有用な薬のタネや技術、サービスを求めています。国から産学官の連携が推進されていることもありますが、上記のシーズを有する大学や研究機関が立ち上げたベンチャー企業や、ヘルスケアにITを掛け合わせたヘルステックのスタートアップ企業との連携を進めており、結果としてベンチャー/スタートアップ企業は大手企業からの資金調達がしやすくなりました。 その流れを受けて、ライフサイエンス&メディカル領域の社会的ニーズの増大を見越した異業種の大手企業やベンチャーキャピタルからの資金調達も増加しています。以前より設備投資や人材採用がしやすくなった点が、ベンチャー/スタートアップ企業増加の背景にあると考えられます。 尚、外部からの資金調達以外にも、上記に記載したような異業種の大手企業が、社内ベンチャーとして立ち上げ親会社からの潤沢な資金により積極的に事業を進めているケースもあります。
以前は、ベンチャー/スタートアップ企業に転職すると年収が大幅ダウンするケースが殆どでしたが、資金面に余裕が出来たことにより、前職に近しい年収が提示されることも増えています。年収ダウンを懸念して転職を踏みとどまっていた方が、ベンチャー企業の魅力である早い段階で裁量権を持てる環境を求めて転職する事が増えています。 ただ、資金が潤沢になったとはいえ誰でも活躍出来る訳ではありません。ベンチャー企業は、大手企業や社歴の長い中小企業と比較して、人を選ぶ職場であるのも事実です。ベンチャー企業の特性など、ご自身と合うかの見極めが重要となります。 ベンチャー/スタートアップ企業は、大手企業と比較して知名度が低く、また採用活動に人員を割くことが難しいことから、人材紹介会社へ依頼をするケースが殆どです。知名度は低いですがキラリと光るベンチャー企業もございますので、ベンチャー企業への転職に興味があれば、その見極めも含め、是非LHH転職エージェントにご相談ください。今後どうなっていきたいかなどのキャリアプランをじっくりお聞きした上で、最適な企業・求人をご紹介させていただきます。
LHH転職エージェントの強み
今回ご紹介した事例以外にも、たくさんの職種で実績事例があります。製薬・医療・化学系での転職をお考えの方はぜひLHH転職エージェントまでお気軽にご相談ください。
コンサルタント
研究職特化の人材サービス会社を経てLHH転職エージェント(アデコ株式会社)に入社。製薬業界、バイオベンチャーを中心に、創薬研究や遺伝子解析、再生医療といったライフサイエンス分野の研究開発職の転職支援を担当。業界知識に加えて、前職で培った求職者の思いの言語化や、企業の人事だけではなく現場担当を含めた調整力に強みを持つ。書類添削や面接対策に力を入れ、企業に”刺さる”アピール方法をアドバイスするなど求職者に寄り添うコンサルティングを行う。