新型コロナウィルスへの感染対策をきっかけに、障がい者雇用において在宅勤務を導入する企業が増えています。今回は、障がい者雇用における在宅勤務の課題点と、出社のメリットについて説明します。
【目次】
なぜ企業が障がい者雇用で在宅勤務を導入するのか
企業が障がい者雇用で在宅勤務を導入する主な理由は3つあります。
■優秀な人財の確保
障害者雇用促進法の改正により、企業は法定雇用率の達成が求められています。民間企業の場合、2024年度には全雇用者の2.5%、2026年度には2.7%の障がい者採用が必要とされています。
そのため、障がい者採用においても専門性の高い優秀な人材を確保することが企業にとって急務となっており、在宅勤務の導入を進める企業が増えています。
■業務効率の向上
ペーパーレス化やDX(デジタルトランスフォーメーション)により、業務上で出社が不要となり、逆に在宅勤務によって生産性が向上すると考える企業が増えています。
■BCP対策
BCP対策とは、企業が緊急事態時に事業を継続するための計画です。感染症や地震、水害などで出社ができない場合に備えて、在宅勤務を導入する企業が増えています。
障がい者雇用における在宅勤務の課題
在宅勤務のメリットには、障がい者にとって外出が難しい場合でも働ける点や通勤の負担を減る点、育児や介護との両立が可能な点などがあります。しかし、在宅勤務にはメリットだけでなくいくつかの課題も存在します。以下にまとめました。
■コミュニケーションの不足による課題
業務の取得に時間がかかる
入社直後から在宅勤務となる場合は、特に注意が必要です。気軽に上司やメンバーに質問や相談がしにくく、業務の取得に時間がかかることがあります。
体調面の状況が理解されにくい
在宅勤務では、出社している場合と比べて上司や同僚とのコミュニケーションが限られるため、体調面や障がいに関する配慮が難しい場合があります。例えば、普段の雑談や相談が減少することで、体調が悪い時や障がいによる支援の必要性を上司や同僚が気づきにくくなる場合があります。その結果、適切な支援や配慮が受けられない可能性があります。
出社のメリット
■コミュニケーションが取りやすい
出社することで、メンバーとの会話の機会が増え、チームの関係性構築に繋がります。対面でのコミュニケーションにより、普段の就業態度や実績が目に見え、体調が悪い場合や障がいに配慮が必要な場合でも社内での理解が得られやすくなります。また、転職した際や新入社員の場合は、業務のキャッチアップが早く効率的に行えることも特徴です。
■仕事とプライベートのメリハリがつく
出社することで、仕事とプライベートの切り替えがしやすくなります。在宅勤務では自宅が勤務場所となるため、仕事と私生活の境界があいまいになることがあります。勤務開始時間ぎりぎりまで寝てしまったり、生活リズムが乱れることで体調管理に悪影響を及ぼすこともあります。一方、出社することで規則正しい生活リズムが定着し、体調の安定やライフワークバランスの充実につながることが多いです。
最後に
障がい者雇用においては、在宅勤務が必ずしも最適な選択肢ではないことを認識する必要があります。個々人の「障がいの状況」「職務経験」「業務スキル」などを総合的に考慮し、在宅勤務と出社のどちらが自身にマッチするかを判断することが重要です。
また、最近ではハイブリット勤務と呼ばれる出社と在宅勤務の組み合わせの求人も増えています。ハイブリット勤務は、両方のメリットを組み合わせることができる点が魅力です。完全な在宅勤務は人気が高く、応募倍率も高い傾向にあるため、ハイブリット勤務もぜひ検討してみてはいかがでしょうか。
今回は働き方に焦点をあてましたが、自身にマッチした適切な選択肢を見つけることは難しい場合もあります。そのような場合には、LHH転職エージェント Social Partners(ソーシャルパートナーズ)にぜひご相談ください。
専門知識を持つコンサルタントが、キャリア形成に関して適格な助言やサポートをいたします。まずは話だけでも聞きたい、自身の希望や経験を整理したいという方も大歓迎です。ぜひ、お気軽にご相談ください。
Social Partnersの強み
障がいをお持ちの方々の「働きたい」という思いや「キャリアビジョン」の実現を、私たちは全力でサポートいたします。障がい者採用転職をお考えの方はぜひLHH Social Partners(ソーシャルパートナーズ)までお気軽にご相談ください。
障がいをお持ちの方への転職支援サービス
Social Partners(ソーシャル・パートナーズ)