企業が人材を募集する際、自社にはどのような人材募集方法が合っているのか迷う担当者は少なくありません。人材募集の方法はさまざまで、向き不向きがあります。
この記事では、人材募集の方法10選と、それぞれの特徴・メリット・デメリットなどを解説します。人材募集を成功させるためのポイントも紹介しているため、ぜひ参考にしてください。
採用・労務に関する最新のお役立ち情報をお届けします。
人材募集の方法10選
まずは、人材募集の方法10選をメリットやデメリットとともに紹介します。
「自社の採用サイト」による人材募集
自社で採用サイトを作成し、企業が独自で人材募集を行う方法です。新たに作成するだけでなく、既存の自社のWebサイトに採用ページを作成するのもよいでしょう。
メリット
- 人材募集に関する情報に加えて自社の魅力もアピールできる
- 企業の方針なども詳しく掲載できるため、採用のミスマッチを防げる
- 文字数や写真など、掲載できる内容量に制限がない
デメリット
- 新たな採用サイトを作成しようとすると時間がかかる
- SEO対策など、検索してもらうための技術が必要
- 頻繁なデータの更新が必要
- 認知されるまで時間がかかり、即効性がない
おすすめの企業
- 日常的に自社ホームページを訪れる人数が多い企業
- 継続的に人材募集を行っている企業
「求人Webサイト」による人材募集
求人Webサイトはさまざまな企業の求人情報を掲載するWeb媒体です。掲載するときや採用が決まったときに費用が発生するWebサイトもあります。文字や写真の他、動画などで情報を発信できます。
メリット
- 手間がかからない
- スムーズに求人情報が掲載される
- 多くの求職者の目に触れる
- 特定の職種を専門としたWebサイトを利用すれば、企業が求める人材を見つけやすい
デメリット
- 求人情報を掲載するスペースや掲載期間に応じて費用がかかる
- 掲載したからといって必ず応募があるとは限らない
- 料金形態によっては採用に至らなくても費用が発生する
おすすめの企業
- できるだけ多くの人数を採用したい企業
- 希望する条件に近い人材を見つけたい企業
「SNS」による人材募集
FacebookやInstagramなどのSNSを利用して人材募集を行う方法で、ソーシャルリクルーティングともいわれています。日頃から企業の情報を発信できるうえに、コメント欄を通じて応募者とコミュニケーションを取れます。
メリット
- SNS広告を利用しなければコストがかからない
- SNSの投稿を見て求人者の人柄を予測できる
- 自社のイメージや雰囲気をつかんでもらいやすい
デメリット
- ターゲットを絞りづらい
- こまめに情報発信をしなければ、情報が埋もれてしまう
- 多くの人に認知されるまで時間がかかる
おすすめの企業
- 人材募集の予算を抑えたい企業
- 採用を頻繁に行わない企業
「ダイレクトリクルーティング」による人材募集
ダイレクトリクルーティングは、求人に応募してきた人のなかから採用を決めるのではなく、SNSやスカウト型メディアなどを利用して企業自ら気になる人材をスカウトする方法です。
メリット
- 企業が求める人材をピンポイントで採用できる可能性がある
- 企業が気になる特定の人材のみスカウトできる
- やり方によってはコストを抑えられる
デメリット
- スカウトした人材を必ず採用できるとは限らない
- スカウトしたい人材を探すのに手間がかかる
- 効果的なスカウト文を作成する必要があるなど、人材募集の方法のなかでは難易度が高め
おすすめの企業
- 人材募集とともに採用ノウハウの蓄積も行いたい企業
- 手間をかけても優秀な人材を見つけたい企業
「リファラル採用」による人材募集
リファラル採用は社員に友人や知人を紹介してもらう方法です。「社内紹介制度」や「縁故採用」と呼ばれることもあり、紹介してくれた社員に紹介料を支払うケースも増えています。
メリット
- 社員が一緒に働きたいと思える人材を紹介してもらえるので安心感がある
- 紹介料以外の採用コストを抑えられる
- 紹介してもらえる人材の人柄を把握できる
デメリット
- 採用に至らなかったときに、紹介してくれた人と紹介された人の関係が悪化する可能性がある
- 複数名を一度に採用したいときや、早急に人材を確保したい場合は向かない
おすすめの企業
- 人柄をある程度把握したうえで採用したい企業
- 採用まで時間がかかってもいい企業
「人材紹介会社」による人材募集
人材紹介会社では、希望する人材を紹介会社に登録している人材のなかから探したり、発掘してきたりして紹介してくれます。採用が決まった際は、成功報酬を支払うのが一般的です。
メリット
- 求人募集や面接、人材の選考をする手間がかからない
- 初期投資が必要ない
- 非公開求人を出したいときにも活用できる
- 自社が求める条件にマッチした人材が見つかりやすい
デメリット
- 成功報酬の相場は採用した人材の年収の約20%~35%と高額
- 好条件を提示しなければ人材が見つからない可能性がある
- 実績が少なかったり、認知度が低かったりする企業は紹介してもらいにくい
おすすめの企業
- 人材の質にこだわりたい企業
- こだわりの希望条件がある企業
「人材派遣」による人材募集
人材派遣会社に登録しているスタッフのなかから人材を派遣してもらう雇用形態が人材派遣です。派遣会社と契約を結ぶ形になるため、派遣された人材の給与は派遣会社に支払います。
メリット
- 繁忙期など人材が必要な期間のみの契約が可能で、人件費を抑えられる
- 即戦力となる人材が多い
- 社会保険などの手続きや費用が必要ない
- 派遣を依頼してから数日で稼働できる
デメリット
- 業務の内容によっては派遣してもらえない
- 自社社員ではないため、所属意識が低くなりがち
- 就業時間や業務内容が制限されている
- 長期間派遣してもらうのは難しい場合がある
おすすめの企業
- 時期によって忙しさが変動するため一定期間のみ人材を確保したい企業
- 早急に人材が必要になった企業
「採用イベント」による人材募集
合同企業説明会など、会場に訪れた求職者とやり取りをする採用イベントで人材を募集する方法です。会場では企業ごとにブースを設け、ブースを訪れた求職者に求人の説明をするのが一般的です。
メリット
- 求人者と直接やり取りができるため、ある程度人柄を確認できる
- 人材募集だけでなく、会場を訪れている人に会社のPRもできる
- 知名度が低い企業でも求人者が興味を持ってくれる可能性がある
デメリット
- 出展するための費用が他の方法と比較すると高額になる
- 着席してもらうための工夫が必要
- 来場者が少ないと非効率
- 成果が採用担当者のスキルに左右される
おすすめの企業
- 知名度が低く他の方法では求職者が集まりにくい企業
- コミュニケーション能力に優れた採用担当者がいる企業
「紙媒体」による人材募集
有料の求人情報誌や新聞や折り込みチラシ、無料で配布しているフリーペーパーで人材募集を行う方法です。シニアや主婦層を希望する場合におすすめです。
メリット
- 地域限定版の紙媒体ならピンポイントで募集をかけられる
- フリーペーパーならより幅広い層に見てもらえる
- 普段パソコンやスマートフォンを使用しない層にもアピールできる
デメリット
- 求人情報を掲載する時点で費用が発生するため、採用に至らなくても採用コストがかかる
- 求人情報を掲載する期間が限定的
- 情報が掲載されたら条件などを変更できない
おすすめの企業
- パート・アルバイトとしてシニアや主婦層を求めている企業
- 地域を限定して人材を探したい企業
「ハローワーク」による人材募集
ハローワーク(公共職業安定所)は、全国にネットワークがある職業の相談窓口です。管轄のハローワークで登録すると、最大3ヶ月間にわたり求人情報を公開してもらえます。
メリット
- 無料で人材募集ができる
- 複数回掲載しても無料
- 幅広い求職者に情報を見てもらえる
- 条件によっては助成金の受給が可能
- 地域に密着した人材募集が可能
デメリット
- 初めて求人を掲載するときは、管轄のハローワークまで足を運ばなければならない
- 求めているスキルがない求職者の応募が増える可能性がある
- 面接までに時間がかかる
- 掲載できる情報量が限られている
おすすめの企業
- コストをかけずに人材を募集したい企業
- 助成金を受け取れる条件を満たしている企業
人材募集方法を選ぶポイント
上述した人材募集方法はそれぞれ得意分野や利用者層、採用コストが異なるため、各方法の特徴をしっかり確認しましょう。特に利用者層と企業の採用ターゲットがマッチしていない場合、求める人材が見つからない可能性があります。
求人情報が採用ターゲットに届くよう、人材要件を明確にしたうえで、各方法の利用者層と照らし合わせて選ぶこともポイントです。
人材募集を成功させる3つのコツ
人材募集は、伝え方や採用計画といった3つのコツをおさえることで、成功しやすくなります。
求職者に企業の魅力をうまく伝える
人材を見つけるためには、まず求職者に興味を持ってもらわなければなりません。この企業に応募したいと思ってもらえるように自社の魅力や強みをうまく伝えることが大切です。自社の魅力をうまく文章化するためにも、強みや魅力を明確化しましょう。
雇用後のミスマッチが起きないように真実を伝える
求人情報や面接では真実を伝えることも大切です。不都合なことを隠す、嘘を伝えるなどすると雇用後に雇用条件や労働環境、スキルのミスマッチが起こり、成果が出なかったり早期離職してしまったりする可能性があります。
人材募集前に採用計画を立てる
人材募集を行う前に、どのような人材がいつまでに何名必要なのか、どの募集方法を利用するかなどの採用計画を立てます。採用計画を立てれば、採用ターゲットとなる人材で母集団を形成しやすくなります。
人材募集前にやっておきたい準備のための3ステップ
人材募集を実施する前に、3つのステップで準備を進めましょう。
Step1採用目標とターゲットを明確にする
経営者や採用する担当部署へヒアリングを行い、採用目標とターゲットを明確にします。たとえば、どの部署でいつまでに何人の採用を希望しているか、どのような雇用形態で採用するのかなどです。求めるスキル、未経験者も可能かなど具体的に設定しておきましょう。
Step2採用方法を決める
採用目標とターゲットを明確にしたら、採用方法を決めます。たとえば、どの募集方法を利用するのか、求人原稿にはどのような内容を記載するのかなどです。書類選考の基準や筆記試験の有無、面接で伝える内容もこの時点で決めておきます。
Step3採用スケジュールを立てる
最後に採用スケジュールを立てます。求人媒体に人材募集を掲載してから入社するまでの期間は、平均して3ヶ月程度といわれています。募集期間・求人掲載期間の他、選考期間や研修期間を考慮し、雇用を開始したい日から逆算して求人を出しましょう。
まとめ
人材募集の方法は多種多様で、得意分野や利用者層などは募集方法ごとに異なります。今回解説した人材募集を成功させるコツや募集前の準備などをしっかり行い、自社が求める人材を見つけましょう。
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貴社が求めている人材の条件だけをヒアリングしご紹介するのではなく、企業と求職者双方の想いや価値、ビジョンなど求めているものの共通点を少しでも多く見出し、ビジョンのマッチングを通じて、最適な出会いとなるように努めています。
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