【新卒採用向け】採用手法のトレンド3選
近年、新卒採用でトレンドとなっている手法としてダイレクトリクルーティング、ソーシャルリクルーティング、ミートアップ採用の3つが挙げられます。それぞれの特長を把握したうえで、取り組むかどうかを検討しましょう。
ダイレクトリクルーティング
ダイレクトリクルーティングとは、企業が気になる人材へ直接アプローチする採用手法です。新卒採用でも活用が進んでいますが、中途採用においては即戦力を効率よく獲得できることからすでに多くの企業が採用しています。学生(求職者)から応募を待つのではなく、企業から求める人材へ直接アプローチすることから、攻めの採用とも呼ばれます。
メリット
- 自社が求める人材を見つけ直接アプローチできる
- 採用コストを抑えられる
- 潜在層へも効果的にアプローチできる
企業が主体となり、自社が求める人材を探してアプローチできるため入社後のミスマッチを回避しやすい魅力があります。また、サービスプラットフォームの利用料こそ発生するものの、紹介会社などを介さず人材を獲得できるため採用コストの抑制にも有効です。
ダイレクトリクルーティングサービスは学生も利用しており、情報収集などに活用しています。そのため、自社をまだ知らない学生や応募意欲がそれほど高くない学生など、潜在層へのアプローチが可能です。
デメリット
- 求職者と個別のやり取りが発生する
- 長期的な視点での取り組みが求められる
企業と求職者がダイレクトにつながる採用手法であることから、個別のやり取りが発生します。そのため、採用担当者は業務の負担が増える可能性があります。また、潜在層へのアプローチが可能である反面、取り組み当初から大きな反響は期待できないため、長期的な視点での取り組みが求められます。
ソーシャルリクルーティング
近年、大手企業やIT企業、ベンチャー企業などが積極的に取り入れている手法がSNSを用いたソーシャルリクルーティングです。海外でビジネスSNSによる採用活動が始まったことを契機に、2009年ごろから日本でも広がりを見せはじめました。日本では、FacebookやX(旧Twitter)、LINEなどを用いた採用活動が主流です。
メリット
- 採用コストを削減できる
- ミスマッチを回避しやすい
SNSは基本的に無料で利用できるため、アカウントさえ開設していればソーシャルリクルーティングに取り組めます。求人情報誌や求人サイト、転職サイトなどへ求人広告を出稿するよりもコストを大幅に抑えられる点が魅力です。
また、SNSで企業風土やビジョンなどを積極的に発信することで、求職者に自社のことを深く知ってもらえます。個別でのダイレクトなやり取りによって相互理解も深まり、ミスマッチを回避できます。
デメリット
- SNSの運用リスクが発生する
- フォロワー獲得には時間がかかる
SNSを活用する採用手法であることから、運用リスクが発生する懸念があります。代表的な運用リスクが炎上です。不適切な情報発信をしてしまうと炎上を招き、企業の社会的信用や価値を失墜させかねません。
フォロワー獲得に時間がかかるのもデメリットです。効果的なソーシャルリクルーティングを展開するには多くのフォロワーが欠かせません。アカウントを育て、多くのフォロワーを得るには相応の時間とノウハウを要します。
ミートアップ採用
ミートアップ(Meetup)とは交流会を意味する言葉です。ミートアップ採用とは、小規模の交流会や勉強会を通じて人材の採用につなげる手法です。
交流会で直接人材をスカウトする、といった手法ではなく、あくまで求職者との交流を主な目的としています。交流のなかで自社の理念やビジョンなどを伝えられることから、認知度拡大やファン化などの効果が期待できます。ほかの採用手法の効果を高める施策として取り組むケースも少なくありません。
メリット
- 採用コストを抑えられる
- マッチング精度が高い
- 自社のファンを獲得できる
自社の会議室やホールを使うなど、開催場所に工夫すれば低コストで取り組めます。カジュアルな雰囲気のなかで双方向のコミュニケーションがとれることからマッチングの精度が高く、結果的に採用コストの削減が可能です。
直接的なコミュニケーションを介して自社への理解を深めてもらうことで、自社のファンを獲得できる点も魅力です。自社の理念やビジョンに共感してもらえれば、ファン化した求職者がポジティブな口コミを発信してくれる可能性もあります。
デメリット
- 交流会の企画や運営が欠かせない
- 集客方法に工夫が求められる
交流会を介して採用につなげる手法であるため、イベントの企画と運営が必須です。会場やスタッフの選定、スケジュール設定など工数が発生します。
また、多くの参加者を集めるには集客方法にも工夫しなくてはなりません。コーポレートサイトで告知しただけでは十分な集客ができないおそれがあるため、SNSで積極的に情報発信するなど工夫が求められます。
【中途採用向け】採用手法のトレンド
中途採用向けのトレンドは、リファラル採用とアルムナイ採用の2つです。
リファラル採用
リファラル採用とは、自社の従業員に人材を紹介してもらう手法です。ダイレクトリクルーティングの一種であり、新卒採用でも使われることがあります。
類似する採用手法として、縁故採用が挙げられます。こちらは、組織のトップや幹部など、権力者とのコネクションを利用した手法です。リファラル採用は、あくまで自社従業員からの紹介、推薦であり、適切に選考も行います。
メリット
- 自社従業員からの紹介なので安心感がある
- ミスマッチを防げる
- 採用コストを削減できる
自社で働いている従業員が、候補者の人となりを知ったうえで紹介するため、一定の安心感があります。候補者も自社の風土や業務内容などを従業員から説明されている可能性が高く、そのうえで紹介を受けているためマッチング精度が高まります。
求人広告を出稿するコストがかからず、紹介会社もあいだに入らないため採用コストの削減にも有効です。
デメリット
- 不採用時のフォローが求められる
- 人材が同質化しやすい
- 急な人材の補填は難しい
紹介してもらった人材を不採用にした場合、紹介してくれた従業員と求職者の関係性が悪化するかもしれません。従業員が組織に不信感を抱くおそれもあるため、不採用時のフォロー方法を考えておく必要があります。
また、リファラル採用は人材の同質化が起こりやすく、従業員の多様性が失われる可能性があります。従業員がすぐ人材を紹介してくれるとは限らないため、今すぐ人材が必要な場合には使えないのもデメリットです。
アルムナイ採用
アルムナイ採用は、いわゆる出戻り制度であり、自社を離れた人材を再び採用する手法です。出産や介護などで自社を退職した方を対象としており、定年退職した方は含みません。あくまで、現役のまま組織を離れた方が対象です。
メリット
- 即戦力を獲得できる
- ブランディング向上につながる
- 従業員のエンゲージメント向上につながる
かつて自社に在籍していた人材を再び採用する手法であるため、即戦力を獲得できる点が魅力です。やむを得ない事情で退職した方にとっても、慣れた環境で再び働ける魅力的な制度なので、「従業員思いの企業」「働きやすい会社」としてブランディング向上も期待できます。また、再度自社で働きたいと思った理由を職場で共有してもらうことで、ほかの従業員たちも自社の魅力を再確認でき、従業員エンゲージメントの向上につながります。
デメリット
- 離職率が高くなるおそれがある
- 既存従業員への配慮が求められる
退職しても再び戻ってこられる制度であるため、退職へのハードルが下がり離職率が高まるおそれがあります。また、再雇用した人材の待遇が格段によい場合、既存従業員が不満を抱きモチベーションの低下を招く可能性があるため、配慮が必要です。
定番で手堅い採用手法3選
トレンドの採用手法以外にも、手堅く人材を獲得しやすい定番の手法も押さえておきましょう。採用フェアやイベントへの参加、求人検索エンジンへの登録、人材紹介サービスの利用が挙げられます。
採用フェア・イベントへの参加
コロナ禍が明け、就活フェアや転職フェアなどの人が集まるイベントが再び注目を集めています。会場に複数の企業がブースを出展し、求職者とコミュニケーションをとれるイベントです。
準備に時間やコストがかかるものの、一度に大勢の求職者へアプローチできる魅力があります。一般的な知名度が低い企業であっても、ブースで情報発信したり、参加者と積極的にコミュニケーションをとったりすることで認知度アップにつながります。
求人検索エンジンへの登録
求人検索エンジンとは、求人情報の検索に特化した検索エンジンです。求職者は、エリアや雇用形態、待遇など条件を指定して求人を探せます。
登録にあたり料金は発生しないため、コストを抑えつつ人材を募集できます。検索エンジンによっては、求人情報を目立たせてアピールできる有料プランを設けているため、予算に応じた工夫も可能です。
人材紹介サービスへの登録
人材紹介サービスとは、働きたい方と採用したい企業とをマッチングさせるサービスです。書類添削や面接対策など、求職者に手厚いサポートを行っているのも特長です。
成功報酬型の料金形態が多いため、初期コストがかからず費用対効果が高いというメリットもあります。自社での直接雇用を前提に人材を紹介してもらえるため、長期雇用や定着率の向上が見込めます。
まとめ
現代ではさまざまな採用手法があるため、各手法のメリット・デメリットを把握したうえで、自社にマッチした手法を導入しましょう。
「LHH」では、各分野に精通したコンサルタントが、企業のニーズや求める人材像を踏まえて人材の提案を行っています。双方のビジョンを把握したうえでマッチングを行うため、入社後のミスマッチを防ぎやすいのも魅力です。
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