情報収集の方法が増えるなか、学生の就活ナビ離れが懸念されています。売り手市場が続く昨今、優秀な学生を集めたいのであれば、企業は学生の就職活動の動きを正しく把握し、それに応じた対策を講じなければなりません。
そこで、本記事では就活ナビ離れの現状や理由、就活ナビのメリットやデメリットについて、就活ナビに頼らない採用手法とともに解説します。
就活ナビとは
就活ナビサイトやナビサイトとも呼ばれる「就活ナビ」は、学生の就職活動をナビゲートするWeb上の情報サイトです。就職活動で必要となるさまざまな情報がまとめられていて、就職活動をしている学生と、学生を採用したい企業をつなぐサポートも行っています。運営しているのは就職情報の発信などを行っている情報サービス会社や自治体、商工会議所などです。
就活ナビ離れといわれる現状と理由
学生の就活ナビ離れが進んでいるといわれていますが、実際はどのような状況なのでしょうか。就活ナビ離れの現状を理由とともに解説します。
情報収集の方法が多様化
今の就活生は、物心が付いたときからインターネットに慣れ親しんできたZ世代です。SNSや口コミサイト、インターンシップなどの情報を自らリアルタイムで集められます。企業の公式サイトも情報源として活用している学生も多く、必ずしも情報収集で就活ナビを頼る必要はありません。
ニーズに沿った新サービスの登場
一定の業種に特化しているなど専門性を持ったサービスやサイトが増えていて、就活生にとっては、自分の状況や就活の段階に応じてサービスを使い分けられる環境です。そのため、就活生は利用サービスを就活ナビに限定する必要はなくなっています。
学生が就活ナビに求めるサービス
ここでは、さまざまなサービスやサイトがあるなかで、学生が就活ナビに求めるサービスや魅力について解説します。
Point1自己分析や他己分析ツール
就職活動をするにあたり、自分の強みや弱みを把握し適性を探る自己分析は必須です。就活ナビには自己分析や他己分析ができるツールも豊富にあるため、特に就職活動初期の学生にとって利便性が高いでしょう。
Point2情報収集の効率化
エントリー前で志望企業を絞り切れていない学生にとって、情報が一元化されている就活ナビのコンテンツは魅力です。企業の比較検討をしやすく、企業が主催するイベントやOBの口コミなどの情報も効率よく集められます。さらに、各企業の事業内容や会社概要、給与といった基本的な情報を簡単に確認できる点もメリットです。
Point3エントリーシートのサポート
就活ナビにある、エントリーシートの記載例の紹介や書き方のサポートを受けられるサービスは、学生にとって助かるサービスです。エントリーシートは1回作成すれば複数社で活用でき、情報を見た企業側からスカウトがくる可能性もあります。
学生が登録する就活ナビサイトの数
就活ナビ離れが進んでいるとはいえ、サイトをまったく利用しない学生が増えているわけではありません。ほとんどの学生は登録だけは行い、各サイトの特色に応じて使い分けています。就職活動のノウハウを紹介するサイトでも、5~10個の登録を勧めているところが少なくありません。
就活のフェーズとナビサイト活用のタイミング
就活生が情報を求めるタイミングは大きく分けて準備期、エントリー時、選考中の3回です。まず、準備期には、仕事の適性などを確認できる自己分析の方法などの情報を必要とします。
一方、エントリー時に必要になるのはエントリー先選びや応募の際に必要となる企業の基本情報などです。そして、選考に入ると、企業の基本情報に加えて仕事の魅力や先輩社員のことなど、実際の業務や社内環境といったより深い情報も求めるようになります。
これらの各タイミングでの情報収集では就活ナビの活用が便利です。先述したとおり、就活ナビには豊富な自己分析のツールがあり、企業の基本情報もまとめられています。また、エントリーシートの書き方や面接の質問例など、実践的な情報も得られるからです。
企業にとっての就活ナビのメリット
ここでは、利用すると期待できる、企業にとっての就活ナビのメリットを3つ紹介します。
多くの就活生に最新情報の発信が可能
登録している学生が多い就活ナビを利用すれば、多くの学生に対して一斉に自社の情報を発信できます。自社のサイトに直接アクセスしない学生にも自社の情報を届けられるため、知名度の低い企業にとっては学生から関心を持ってもらえるチャンスです。
就活生とコンタクトを取る機会を増やせる
就活ナビにはオンライン説明会の開催やOB訪問、ダイレクトメールなどさまざまなサービスがあるため、活用次第で学生に積極的なアプローチができます。また、業界の情報を調べるなかで自社を知った、業界に興味のある学生と接点を持つことも可能です。
充実したコンテンツ
就活ナビの利用は自社サイトを作成するよりも手軽です。さまざまなサービスやコンテンツが初めから用意されているため、作成にかかる時間やコストを抑えられます。さらに、学生の就職に詳しい専門家から、アドバイスやサポートを受けられる点も魅力です。
企業にとっての大手就活ナビサイトのデメリット
就活ナビのなかでも大手のサイトを利用する場合には、登録している企業の数が多いため注意が必要です。中小企業だと大企業に埋もれて学生の目に付かない可能性があります。また、どの企業も同じようなスタイルで情報発信するため、他社との差別化を図りにくい点もデメリットです。
さらに、情報が多岐にわたっている分、学生が求める深い情報まで掲載できない場合があります。加えて、料金システムが定額制の場合には、採用につながらなくてもコストがかかるため気を付けましょう。
従来の就活ナビサイトに頼らない採用活動方法
ここでは、学生が離れつつある就活ナビに頼らない採用活動の方法を3つ紹介します。
オウンドメディアリクルーティング
オウンドメディアリクルーティングとは、オウンドメディアを活用する採用手法です。オウンドメディアとは、自社で保有し運用しているWebサイトやブログなどのメディアを指します。広告などを出す方法と比べて、コストがかかりにくく掲載期間などを気にする必要もないため、採用活動を中長期的に行いやすい点が特徴です。
ソーシャルリクルーティング
ソーシャルリクルーティングはオウンドメディアリクルーティングの1つで、SNSを活用した採用活動の方法です。コストをかけずに自由に情報を送れて拡散力もあるSNSを活用すれば、自社の情報を多くの学生にいち早くたくさん発信できます。
ただし、SNSは使い方次第で、炎上などを起こして企業にマイナスなイメージを与える場合もあります。コンプライアンスの意識や、現状と内容がかけ離れないための定期的な更新が必須であることを念頭におきましょう。
ダイレクトリクルーティング
ダイレクトリクルーティングとは企業側から採用したい学生に対して直接、採用活動のアクションを起こす方法です。オウンドメディアリクルーティングを含んでいう場合もあります。学生からの応募を待つ受け身の採用ではなく、企業自らが欲しい人材を探しに行く攻めの採用で、ターゲットを絞って採用活動ができる点が特徴です。
ダイレクトリクルーティングに特化した就活サイト
ダイレクトリクルーティングには2つのタイプがあります。ここでは、各タイプに特化した就活サイトの特徴を解説します。
スカウト型就活サイト
登録している学生のプロフィール情報を見て欲しい人材がいたら、企業側からその学生にオファーをかけるシステムです。「逆求人サイト」とも呼ばれています。実際に働いているからこそ知る仕事の詳細や社風などを企業側から伝えてアプローチできるため、入社後のミスマッチが起こりにくくなります。特に専門性の高い業種におすすめです。
エージェント型就活サイト
エージェントや専任アドバイザーが、企業の特徴や学生の適性などを考慮したうえで、企業と学生をマッチングしてくれるシステムです。
料金体系は成果報酬型であることが一般的で、大手企業の求人に埋もれて応募者が集まりにくい中小企業に向いています。エージェントはマッチングの結果だけではなく、選考や結果に対する学生の反応なども報告してくれるため、自社の選考方法の見直しも可能です。
まとめ
企業は就活ナビ離れが進んでいる状況をしっかり踏まえたうえで、就活ナビに頼らない採用活動を行うことが必要です。
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