職場環境・雰囲気が悪い会社の特徴|改善方法や転職を決断するタイミングについて解説

転職を考える理由として「職場の雰囲気」を挙げる方は少なからずいます。本記事では、仕事内容に不満はないものの、職場の悪い雰囲気に耐えきれない方に向けて、ひどい会社の特徴や転職を決断するタイミングについて解説します。職場環境を改善する方法や雰囲気のよい職場の特長についてもまとめました。

目次

雰囲気の悪い職場にありがちな特徴

仕事自体は好きでも、職場の雰囲気が悪い場合があります。以下では、雰囲気が悪い職場に見られる代表的な特徴を紹介します。現在の当てはまる特徴がないか考えてみましょう。

異常な業務量をこなす必要がある

残業が多い、休日出勤が常態化している、明らかに達成できないノルマがあるなど、無理な業務量をこなすよう求められる職場は雰囲気が悪いです。

終わりの見えない作業に追いつめられ、心身共に疲労が蓄積されていきます。

睡眠不足の状態が続くと、ケアレスミスが増えて効率的に業務をこなせなくなり、さらに残業につながるという負のスパイラルに陥ってしまいます。

慢性化した疲労感のせいで気持ちにゆとりがなくなり、周囲との関係がギスギスしてしまうこともあるでしょう。

疲れきって帰宅後は寝るだけという生活だと、やりたいことに費やす時間も奪われ、ストレスもたまる一方です。心身の不調につながることもあります。

ノルマは、会社の業績を伸ばすために必要とされ、営業職や販売職には付き物です。

しかし、無謀なノルマは、社員同士での愚痴の言い合いや仕事の意欲低下の原因になり、職場の雰囲気を悪化させます。

上司などからパワハラやいじめがある

パワハラやいじめは、雰囲気の悪い職場に見られる代表的な特徴です。

パワハラやいじめには、蹴られたり殴られたりという直接的な暴力をはじめ、暴言、無視、陰口などの行為も含まれます。

皆の前で怒鳴られる、無理な仕事を押し付けられる、仕事を与えられない、必要以上にプライベートなことを聞かれる、性格を否定される、解雇をほのめかされるなどさまざまな形があり、深刻な問題です。

些細なミスで過度に叱責されたり、基本的なことを質問して罵られたりすると、恐怖心が強まってまともに働けなくなることもあります。

パワハラやいじめは、被害にあっている当人が辛い思いをするのはもちろん、周りの方にも影響を与えます。直接パワハラを受けていなくても、「同僚が上司に怒鳴られている姿を見るのが怖い」と体調を崩す方もいます。

「次の標的は自分になるかもしれない」と追いつめられる方もいるなど、間接的な影響も無視できません。

周囲の人と協力する気がない

協調性のない人が多いことも職場の雰囲気が悪くなる要因です。

企業においては、同僚や他部署と協力しながらひとつのプロジェクトを完結させるというケースが多く、連携なしには成り立ちません。

そのため、周囲と情報を共有せずに一人で作業する人がチーム内にいると、チーム全体が影響を被ります。

コミュニケーション不足により手戻りが発生しやすくなったり、作業が停滞してしまったりして、業務効率が落ちてしまいます。

本来うまくいくはずの仕事に支障が出て、致命的なミスにつながるおそれもあります。その結果、チーム全体の士気が下がってしまうでしょう。

成果が上司の手柄になる

成果が正当に評価されないことも、職場の雰囲気に悪影響を及ぼします。

よくあるのは、部下の成果が上司の手柄になることです。部下が成果を出しても、ねぎらうどころか、我が物顔で自分の手柄にする上司は、自分の評価を上げることだけを考えています。

このような上司がいると、部下は「頑張ってもどうせ上司の手柄になるから」と思い、仕事に対するモチベーションが下がってしまうでしょう。

人には承認欲求があり、満たされることによってモチベーションがアップします。

一方、頑張っても報われなければ上司への不満や不信感が募り、愚痴の言い合いが絶えない職場になってしまいます。

絶対に失敗が許されない作業が多い

失敗が許されない職場環境も問題です。そのような環境では、心に余裕が持てず、のびのびと働けません。

失敗は本来誰にでもあるもので、失敗の原因を客観的に分析して次に生かすことは成長につながります。

しかし失敗が許されないと、その成長が阻害されてしまうでしょう。さらには、失敗を隠ぺいしようとする人も現れて、業務に支障をきたしてしまうかもしれません。

多くの社員は常日頃からプレッシャーを感じながら仕事をしています。それに加えて失敗をあまりにも厳しくとがめられると、緊張のあまり本来のパフォーマンスを発揮できなくなる可能性があります。

仕事の効率化を図るために新しい取り組みをしてみようと思っても、「失敗したらどうしよう」という恐怖心が先立ってしまい、チャレンジ精神や行動力までも失われることもあります。

職場の雰囲気が悪いことによる悪影響

職場の雰囲気が悪いと、社員や組織に悪影響を及ぼします。具体的にどのように問題が起こるのかを解説します。

ストレスがたまって精神的にダメージを受ける

雰囲気の悪い職場では、毎日ストレスがたまってしまいます。

ストレスをうまく解消できないと、疲れが残る、スムーズに就寝できず朝起きられない、イライラや落ち込みなど感情面が不安定になるなど、心身にさまざまな症状が現れます。

次第に、仕事に行こうとすると体調が悪くなり、うつ病や自律神経失調症といった病気を発症するおそれがあります。

うつ病になると、本来好きだったことも楽しめない、一日中気分が落ち込んだ状態が長期間続くといった精神症状に加えて、不眠、食欲の低下、体重の減少、疲れやすいといった身体症状も現れます。死にたいと思いつめるほど重症になる方もいます。

自律神経失調症にも精神症状と身体症状の両方が見られ、精神症状には、不安、焦り、落ち込み、集中力の低下、情緒不安定などが挙げられます。

身体症状には、頭痛、めまい、耳鳴り、不眠、食欲の低下、下痢・便秘などがあり、仕事や日常生活にも支障をきたす可能性が高いです。

いずれの病気も専門の医師による適切な治療が必要で、状況によっては仕事を調整する必要もあるでしょう。

知識・スキルが高まらない

正当な評価がされないと、社員は頑張る意義を見出せず、働くモチベーションは下がります。

モチベーションが低下すると、ただ上司の指示に従うだけになってしまい、知識やスキルを主体的に高められません。

意欲が湧かないため、「仕事をしたくない」「早く辞めたい」という思いが強くなり、業務に集中できなくなります。そのような社員が多いと、会社の売上や利益にも悪影響が及び、職場の雰囲気はますます悪くなります。

たとえ今、豊富な知識やスキルを持っていたとしても、雰囲気の悪い職場ではその力を十分に発揮するのは困難です。

雰囲気の悪い職場は、社員のモチベーションを下げ、知識・スキルの発揮や向上を阻んでしまいます。

職場の人間が次々に離職してしまう

雰囲気の悪い職場で働くのは誰しも苦痛なので、辞めたいと思うのは当然のことです。

離職率が高まれば、残された社員の業務量が増え、負担が大きくなります。業務負担が軽減されなければ、残された社員のモチベーションは低下し、さらに離職が進みます。

新たに採用活動を行って人員を確保しても、既存の仕事に追われて新入社員の教育が追い付かないかもしれません。

新人教育をしたとしても、職場の雰囲気が悪いためなかなか定着せず、教育にかけた労力が無駄になってしまうこともあるでしょう。

新入社員が一人前になる前に離職してしまえば、業務量は増える一方です。

人材の入れ替わりが激しいと、ノウハウが蓄積されず、後続が育ちません。残された社員の負担は計り知れず、採用コストや教育コストもかさみ、会社へのダメージも大きくなります。

離職を食い止める対策を講じない限り、会社は慢性的な人材不足に悩むことになるでしょう。

職場の雰囲気が悪いときの改善方法

職場の雰囲気が悪いときに改善する方法はあるのでしょうか。どんなことができるか、いくつかの方法を紹介します。自分の職場でも試せそうなものがあるか見てみましょう。

コミュニケーションを増やす

コミュニケーション不足により情報共有や協力関係ができていないと業務の停滞を招くため、普段から気軽にコミュニケーションをとって連絡や相談できる間柄になることは大切です。

ほとんど会話のない職場であれば、自分から名前を呼んで明るく挨拶したり、感謝やねぎらいの言葉をかけたりすることができます。

意識的にポジティブな声掛けをすることで、それに応じる人が少しずつ現れ、職場の雰囲気が改善してくるかもしれません。

また、社内イベントがあれば積極的に参加して、他部署を含めてより多くの社員と知り合うのもよい方法です。上司との面談などの機会も生かして、互いに知り合うようにしましょう。

そのようにして徐々に縦と横のつながりを広げていけると理想的です。職場で話せる相手が増えると、仕事もしやすくなるでしょう。

さらに、社内で気軽にコミュニケーションする手段として、チャットや社内SNSといったコミュニケーションツールを活用するのもおすすめです。

グループチャットを使ってチーム内で情報共有するのも便利です。

異動をかけあってみる

協調性がない、パワハラやいじめをしているなど、職場の雰囲気を悪くしているのが個人である場合、張本人を異動させるという方法があります。

「○○さんにいじめられている」などと上司に相談し、異動をお願いすれば、対処してもらえる可能性があります。

また、自分が異動するという選択肢もあります。

たとえば、他の部署やチームに関して情報を集めて雰囲気のよいところが見つかれば、そこに自ら異動したほうが早いでしょう。どちらがよいか考えて、上司にかけあってみましょう。

もし、職場の雰囲気を悪くしている人と席が近いという場合は、席替えをするだけでも状況が緩和することもあります。嫌な人が常に視界に入ってきたり、きつい言葉や悪口を聞かされたりする機会が減るだけでも、気持ちは随分楽になるはずです。

上司との話し合いが必要になりますが、異動や席替えなど社内でできることから試してみましょう。

思い切って注意してみる

職場の雰囲気を悪くしている張本人に、思い切って注意をするという方法もあります。張本人を改心させられたら、職場の雰囲気は大きく変わるはずです。

ただし、本人に改心するよう直接注意しても、そう簡単に変わってくれないかもしれません。注意すると相手がいらだち、いじめがエスカレートするなど職場の雰囲気がさらに悪くなるおそれもあります。

そのような場合は、本人ではなく上司に、上司が雰囲気を悪くしている場合はその上司に、注意してもらうとよいでしょう。

また、愚痴や悪口の言い合いが職場の雰囲気を悪くしている場合は、自分も加わってはいけません。たとえ聞き役だったとしても、聞く人がいると話す人はさらに勢いづいてしまうでしょう。

職場の雰囲気を改善するためには、悪口に一切乗らないことが重要です。そういう話には興味がないことを態度で示したり、上手に話題を変えたりできるかもしれません。

雰囲気のよい職場にみられる傾向

雰囲気のよい職場には共通する特長があります。主な特長として3つ取り上げます。

社員同士がお互いを認め合っている

雰囲気のよい職場は、社員同士が尊重し合い、お互いを認め合っているのが特長です。

同僚が仕事で成果を出したときには褒めますし、自分が成果を出したときも上司や同僚に認めてもらえます。

お互いの能力や長所を認めていれば、成果を収めた相手への嫉妬心が芽生えるよりも、「自分も頑張ろう」という向上心が高まるでしょう。

互いを認め合う職場では、仕事で成果を出したとき以外にも、業務上での意見や提案などを出し合って、皆で協力してよりよいものにしていこうとする風潮があります。

お互いに信頼感があり、相談しやすく協力しやすい環境が作り出されます。

社員全員が意欲的に仕事に取り組めるので、それぞれがパフォーマンスを最大限発揮でき、仕事の成果も出やすくなります。

大切な情報がしっかりと共有されている

会社の方針やビジョンなど、大切な情報が社員にしっかりと共有されていることも、雰囲気のよい職場の特長です。

会社の方針やビジョンが社員に浸透していると、社員は自分の業務が会社にどのような影響を与えているのかを知ることができ、モチベーションがアップします。

一人ひとりが目標に対して主体的に取り組めるようになり、困難な状況に陥っても使命感を持って業務を遂行できるようになります。

また、情報共有がしやすい体制が整えられていると、お互いの仕事の進捗状況もわかりやすく、社員同士が協力しやすくなります。

自分が多くの仕事を抱えたり、トラブルが起きたりしたときも、適切にフォローしてもらえるので安心感をもって仕事に取り組めるでしょう。

チームで協力し合うことによって成果も出やすくなり、好循環が生まれます。

意見を伝えやすい雰囲気がある

雰囲気のよい職場は、コミュニケーションが活発に行われ、自分の意見を伝えやすいという特長があります。

役職や立場に関係なく、社員一人ひとりが主体性を持って考え、批判や叱責をおそれずに発言できる環境は、雰囲気のよい職場ならではです。

職場はさまざまな個性や考えを持つ人が集まっているため、多少の意見の食い違いやトラブルは避けられません。

しかし、風通しのよい職場であれば、困ったことがあればすぐに相談したり話し合ったりでき、早い段階で解決できる可能性は高まります。

上司が部下の話によく耳を傾けてくれる職場では、部下が不満を募らせにくく、全員がのびのびと働けます。上司も問題を早めに察知できるので、適切な対応がしやすくなるでしょう。

転職・退職を決断するタイミング

雰囲気の悪い職場で我慢しながら働き続けることはおすすめできません。転職や退職を決断するタイミングは次の3つです。

職場の雰囲気が改善される見込みがないとき

コミュニケーションを増やしてみる、異動をかけあってみる、雰囲気を悪くしている人を注意するなど、職場の雰囲気を改善する方法を試してみても効果がないときは、転職や退職に踏み切れるかもしれません。

ストレスを毎日感じる、慢性的に疲れが抜けない、会社に行きたくない、というような精神状態は危険信号です。

改善されないまま我慢して働き続けても、体調を壊してしまうおそれがあります。

強いストレスを抱えながら無理をして働き続けると、転職や退職の判断自体できなくなってしまうおそれがあるので、体調を壊す前に決定するのが得策です。

精神的につらく、辞めたいと心の底から感じるとき

「辞めたい」と心の底から感じるときも、転職・退職を判断するタイミングです。

上司や先輩からパワハラを受けたり、同僚からいじめを受けたりすると、精神的に追い込まれることがあります。自分が受けていなくても社内でパワハラやいじめが横行していると、毎日働くのが苦痛になります。

実際、ハラスメントが原因で転職や退職を決意する方は少なくありません。転職先が見つかるまで耐えられず、先に退職する方もいます。

我慢して働き続けても健康を損ない、いずれ退職せざるを得なくなる可能性もあるので、辞め時だと捉え、早めに転職を検討しましょう。

自分の成長につながらないと判断したとき

職場の雰囲気が悪いと、知識やスキルを高められなかったり、ミスが許されなかったりと、自分を成長させるのが難しくなりがちです。

職場の雰囲気が自分の成長を足止めしていると判断したら、無理にとどまる必要はありません。成長やスキルアップを望むなら、同じ仕事ができる他の会社を探すのがよいでしょう。

今のままつらい思いをしながら働くか、雰囲気のよい職場で自分を成長させながら楽しく働くかで、今後の生活やキャリアは大きく変わってきます。

雰囲気のよい職場には、お互いを認め合っている、情報が共有されている、意見を伝えやすいなどの特長があります。

今の職場の雰囲気が悪く、改善が難しくて耐えきれないと感じる方は心身に不調が現れる前に、転職・退職を積極的に検討しましょう。

まとめ

パワハラやいじめがある、社員同士が協力しない、失敗が許されないなど職場の雰囲気が悪いと、ストレスで精神的ダメージを受けるうえ、自分のスキルアップも望めなくなります。

コミュニケーションを増やしたり異動を申し出たりと、職場内でできる範囲で努力しても効果がないなら、転職を決断するタイミングかもしれません。

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