ベンチャー企業への転職|選考の特徴と成功例を紹介

これまでになかった新しい事業内容やビジネスモデル、自由な社風で話題になることも多いベンチャー企業は主にIT・ウェブ業界を中心に多く設立され、近年、転職市場でも注目されています。
そこで両業界の転職事情に焦点を当て、ベンチャー企業で活躍するためのノウハウなどを解説します。また当社の転職エージェントサービスを利用し、ベンチャー企業への転職を成功された方の事例も紹介します。

目次

ベンチャー企業の定義

そもそも「ベンチャー企業」という言葉に明確な定義はありません。しかし一般的にベンチャー企業とは、会社設立からの期間が比較的短く、独自の技術やサービスなどを駆使して急成長している企業を指しています。IT・ウェブ業界に関しても、新技術・新事業の開発をもとに発足させた企業や、新しいビジネスモデルを開発している会社がベンチャー企業と定義される傾向があります。

ベンチャー企業の特徴

ベンチャー企業の特徴のひとつは意思決定の速さです。役職に就いていない一般の社員と取締役らの間の距離が近いことや、社員が比較的少なく情報の共有が素早くできることから、会社の方針などを決めるスピードは大企業に比べると速くなっています。

IT・ウェブ業界のベンチャー企業では、若い経営者が多く、会社を動かす人材は35~40代と年齢層は低めの傾向にあります。また30代前半の社員が会社の執行役員を務めるケースも珍しくありません。しかし長年研究者として働いていた研究員らがベンチャー企業を立ち上げる例も少なからずあり、社員の平均年齢が高いベンチャーがあることも確かです。

また社員に大きな裁量が与えられることも特徴です。業務や働き方に関して自由度が高く、職種は細かく分けられておらずボーダレスな側面があります。大企業と比べ、社員1人当たりの取扱金額が高くなるケースもあり、社員1人の影響力や責任が大きいことも特徴です。

売上額や利益の拡大はもちろんのこと、独自の技術やサービスを生み出し、新しい価値を社会に提供したいと考える企業が多くみられます。

ベンチャー企業の選考

ベンチャー企業の選考

社員が比較的少ないベンチャー企業では、社員1人の採用が会社に大きなインパクトを与えます。このため1人の応募者に対して、選考にかける時間が長くなる側面があります。特にIT・ウェブ業界では、応募者のスキルに加え、思考や性格を知りたいという企業や、「話してみなければわからない」といったスタンスの企業も多くみられます。これらのベンチャー企業は書類選考よりも面接を重要視する傾向があり、書類選考通過のハードルをそれほど高く設けてはいません。また形式ばった面接ではなく、カジュアルな面談が多いことも、ベンチャー企業の採用活動の特徴です。

例えば35~50代の役職者を採用する際、カジュアルな面談を何度か行い応募者の志向性をひも解く場合があります。そして、「新しい会社で何がしたいのか」「何ができるのか」といった問いから、応募者の考え方やスタンスを引き出し、自社とマッチングするか否かを見極めるようです。

インターネット関連サービスを展開するベンチャー企業では、経営にかかわるポジション・責任者・役職者クラスを採用する際、一問一答の形式的な面談は実施せずディスカッションなどを通して応募者の志向性を探る傾向があります。企業の中には最終選考の段階で、応募者に短いプレゼンテーションを課したり、半日かけてインターンシップのような取組みを行ったりするケースもあるようです。また食事会を催して応募者との親睦を深める企業も多く、大企業の選考に比べるとフランクな側面もあります。

選考で応募者1人にかける時間が長い傾向があるベンチャー企業ですが、もちろん企業によって選考期間はさまざまです。例えば社員数が少なく会社の立ち上げから数年の企業は、基幹社員の採用が必要になるため採用に多くの時間をかける傾向にあります。一方、企業がすでに拡大路線に乗りIPOの実施を考えているような企業では、多数の社員を採用しなければならないので選考にかける時間は短くなるかもしれません。

ベンチャー企業への転職を成功させるポイント

ベンチャー企業への転職では、「ベンチャーで夢を実現したい」「大手企業ではなく、ベンチャーで働きたい」などといった志向性(ベンチャーマインド)が必要です。特にIT・ウェブ業界の場合、「大手企業での勤務経験があるから、ベンチャー企業に入社すれば役職も付き、活躍もできるだろう」や「興味のある業務に関われるなら、大手企業あるいはベンチャー企業のどちらでもいい」との考えでの転職は勧めません。転職活動では改めて、応募する企業と自身の志向性がマッチしているかどうかを確認しましょう。

役職のあるハイクラス層の方がIT・ウェブ業界などのベンチャー企業へ転職する際は、職務経歴書や履歴書に、新規事業に携わった経験や新しい部署の立ち上げに携わった経験などを積極的に盛り込んだ方が良いでしょう。また第二新卒やミドル層の方がネット系ベンチャー企業などへ応募する場合、深く関わらなくとも自身が携わった業務内容についてはなるべく多く記載しましょう。なぜならベンチャー企業では1人の社員の業務幅が広くなる傾向があり、採用担当者が、自社の業務で活用できるスキルなどを応募者がどれほど持っているのか判断するケースがあるからです。

ベンチャー企業への転職成功例

当社の転職エージェントサービスを利用してIT・ウェブ系ベンチャー企業へ転職し、現在活躍されている方の事例を紹介します。

ベンチャー企業からベンチャー企業への転職成功例

40代半ばの男性Aさまは、IT業界のベンチャー企業から、同業界のベンチャー企業に転職されました。役職は前職と同じく部長となりましたが、Aさまが強く希望されていた専門性の高い業務に携わることが今回の転職で可能になり、不安なく次のステップを歩まれました。

大手企業から前職のベンチャー企業へ転職された際、選考時に伝えられた業務内容と実際の業務内容に隔たりがあったという背景から、Aさまは次の勤務先の業務内容について極めて慎重になられていました。ベンチャー企業への転職は考えやスタンスに関する応募者と企業のマッチングが非常に重要です。1回の面接で内定通知を受けたAさまの拭いきれていない不安を察した当社は、エージェントとして追加で複数回の面談を設定し、Aさまの抱える不安材料を完全に払拭できるよう最善を尽くしました。その結果、業務内容などを十分納得した状態で入社していただくことができました。

日系大手企業から外資系ベンチャー企業への転職成功例

20代後半の女性Bさまは、大手のウェブ系企業から海外に本社がある日本法人のウェブ系ベンチャー企業に転職されました。海外志向が強く、欧米やアジアの企業で働くことを念頭に転職活動されていたBさまは、当社のサポートの下、念願だった外資系のベンチャー企業で活躍されています。

さまざまな外資系ベンチャー企業に応募されていたBさまですが、中国系企業への応募は1社のみ。このため当社は、中国のビジネスに詳しい担当者を配置し、業務内容の詳細に加え市場や企業文化などを説明しました。一次面接は本社がある中国のヘッドクオーターとの電話面談だったため、当社はBさまに対して、日本の面談との違いや伝えるべきポイントなどを事前に解説。さらに中国の企業に関するビジネス情報などを伝え、Bさまの懸念を払拭し転職成功に導きました。

ベンチャー企業へ挑戦する前に

ベンチャーへの転職で最も意識すべき点は、自身にベンチャーマインドが本当にあるのかどうかということです。ベンチャー企業は市場の動向に大きく左右されるほか、組織改編が頻繁に行われたり、業務方針が変わったりしやすい傾向があるため、入社の際はそれなりの覚悟が必要となります。自身の知識だけで企業や適性を判断するのではなく、転職エージェントに相談し正確な情報の収集を行った上で、ベンチャー企業への挑戦を判断しましょう。

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