#営業 #転職理由
営業職の採用面接では、ほぼ間違いなく転職理由を聞かれます。答えた内容によって、転職の成否が大きく左右されるため、考え抜いた転職理由を伝えなくてはなりません。本記事では、営業の退職理由ランキングや面接で聞かれた時の答え方などを解説します。
目次
営業の転職理由ランキングTOP10
休日が少ない、給与が安いなど、営業の転職理由はさまざまです。総合採用支援サービスである「doda」が2020年4月から2021年3月までのあいだに転職活動を行った方、約10万人分のデータに基づいて分析した「転職理由ランキング2020年度 職種別」によると、以下の通りとなりました。
順位 | 転職理由 | 割合 |
---|---|---|
1位 | 会社の将来性が不安 | 11.6% |
2位 | ほかにやりたい仕事がある | 11.4% |
3位 | 業界の先行きが不安 | 11.1% |
4位 | 給与に不満がある | 8.8% |
5位 | 残業が多い/休日が少ない | 5.9% |
6位 | 市場価値を上げたい | 5.5% |
7位 | 顧客のためになる仕事がしたい | 3.5% |
8位 | 幅広い経験・知識を積みたい | 3.5% |
9位 | 会社の評価方法に不満がある | 3.4% |
10位 | U・Iターンしたい | 3.2% |
参照元:
duda|転職理由ランキング2020年度<職種別>
https://www.saiyo-doda.jp/lp/ma/reason/2020/002.html
2020年度版では、1位だった「ほかにやりたい仕事がある」が2位へランクダウンし、2位だった「会社の将来性が不安」が1位となっています。また、ランクインしていなかった「U・Iターンしたい」が13位から10位にランクインする結果となりました。
営業職の面接で企業が転職理由を聞く理由
営業職に限らず、転職活動において企業の採用面接では、高い確率で転職理由を問われます。これは、採用担当の方が気まぐれで質問しているのではなく、明確な目的のもとに行われています。
求職者が求めていることを把握したい
転職によって何を成し遂げたいと考えているのか、何を目指しているのかなどを把握する目的があります。転職をどのような目的で決意したのかが分かれば、自社に利益をもたらしてくれるか、組織に貢献できそうかといった部分が見えてくるからです。
企業が採用活動で懸念していることのひとつとして、ミスマッチによる離職があります。
自社が求める人物像とかけ離れた人材を採用してしまうと、早い段階で離職されるおそれがあります。企業は採用活動に相応のコストを費やしているため、採用した人材の早期離職は大きなダメージです。こうしたミスマッチを防ぐために、採用担当の方は転職理由を判断材料とします。転職理由によっては、何を求めているかも分かるため、それを自社で実現できるかについても確認しています。
転職理由が妥当かを判断したい
妥当と判断できない理由で転職した方は、また同じ理由で職場を去る懸念があります。そうしたリスクを避けるために、採用担当の方は面接で転職理由の妥当性をチェックしています。
たとえば、営業職なのに「ノルマが厳しい」という理由は妥当性に欠けてしまいます。一般的に、営業職はノルマを課せられるケースがほとんどです。この転職理由では、ノルマが適切でない場合もありますが、本人のスキル不足が原因として判断されるかもしれません。
また、「人との会話が苦手」といった理由も妥当ではないと判断されてしまいます。営業職は自社の商品やサービスを消費者へ売り込むのが仕事であり、会話が苦手では業務が成り立ちません。
転職を決意するまでの努力を知りたい
転職を決意するまでのあいだに、どのような努力をしたのかを採用担当の方は見極めたいと思っています。
これは、営業職に求められる要素を有しているかどうかを判断するためです。
営業職には、高度な問題解決能力が求められます。営業活動では、顧客とのあいだでトラブルが発生したり、クレームを寄せられたりといったシーンが多々あります。問題解決能力がないと、そもそも何が問題なのかを把握できず、かえって顧客を怒らせてしまうケースもあります。このような事態を避けるべく、営業職には問題の本質を正しく認識し、原因を分析したうえで最適な解決策を考案、提示できる能力が求められます。転職を決意するまでのあいだに、どのような問題意識をもち、改善するためにどう行動したのかを把握することで、問題解決能力を測れます。
また、営業職には粘り強さも必要です。顧客から「いらない」と言われて、簡単に引きさがるようでは売上をあげられません。前職では、どのような努力をし、それをどれくらい続けたのかを聞くことで、粘り強さもチェックしようとしています。
前向きな転職なのかを知りたい
入社意欲や仕事に対してのモチベーションを把握する目的もあります。前向きさがなく、モチベーションが低い人材を採用しても、高い確率で長続きはしません。離職とまではいかずとも、モチベーションが低いと生産性も向上せず、職場の雰囲気を悪くしてしまうおそれがあるからです。
そのため、採用面接ではできるだけポジティブな転職理由を伝えなくてはなりません。「とりあえず今の職場を辞めたい」や「上司に不満がある」といった転職理由をそのまま伝えてしまうと、ネガティブな印象を与えてしまいます。
また、「キャリアアップしたい」といった転職理由も、あまりよい印象を抱いてもらえないため注意しましょう。曖昧な理由であり、「それなら自社でなくてもいいのでは」と思われるおそれがあります。
転職後に定着するかを判断したい
採用担当の方が最もおそれているのは、採用した人材がすぐに離職してしまうことです。企業は、採用活動に相応の時間とコストを割いています。採用した人材がすぐに辞めてしまうと、それまで費やした時間やコストがすべて無駄になり、再度採用に向けてアクションを起こさなくてはなりません。
こうしたリスクを回避すべく、転職理由を質問し、自社に長く定着してくれそうかどうかを判断しようとしています。ミスマッチが発生しないよう、自社が求める人材かどうか、自社に何を求めているのか、高いモチベーションを維持して働いてくれるか、などをチェックします。
答える転職理由によっては「早期に離職されるかもしれない」と判断されるため注意しましょう。たとえば、「ノルマがきつい」や「会話が苦手」「休日が少ない」などです。自社でもこれらの理由で退職されるかも、と考え、採用を見送られるおそれがあります。
【ケース別】営業職の面接で転職理由を聞かれた場合の回答例
ここまで、転職理由を聞く理由について記述しましたが、ケース別に模範的な回答を紹介します。回答例をそのまま流用するのではなく、自分なりにアレンジを加えて活用してみてください。
業界・企業の将来性に不安を感じている場合
「将来に不安を感じた」では理由が曖昧すぎるため、具体的に伝えましょう。たとえば、業績が年々10%程度ずつ下がっていた、従業員へのボーナスカットが続いていた、などです。
そのうえで、状況を改善すべくどのようなアクションを起こしたのかも伝えましょう。少しでも業績を上向きにすべく、お客様への提案内容を見直した、1日あたりにアプローチできる数を増やすため、オンライン商談などを自ら導入した、といった具合です。
<例文>
「前職では、市場やトレンドの変化もあり、年々業績が下がる一方でした。そのようななか、少しでも業績が向上すべく、スキルアップに励んだり、積極的にお客様への提案内容を既存のものから改善したりしましたが、組織全体の業績を上向きにするのは困難でした。
貴社におかれましては、今後もますます事業の拡大が見込まれると考えております。転職によって、より自分の能力を生かせる環境に身を置き、貴社がさらに多くのシェアを獲得できるよう活躍したいと考えています」
スキルアップ・チャレンジしたい場合
前職の仕事がつまらなくなった、ノルマが厳しかったなどの理由は、採用担当の方にネガティブな印象を与えてしまいます。それが本音であったとしても、ポジティブな内容に変換して伝えましょう。
仕事がつまらなくなったということは、新しい仕事にチャレンジしたくなったと解釈できます。その部分をさらに深く掘り下げ、採用担当の方がイメージしやすいよう具体的な内容に落とし込むとよいです。
<例文>
「貴社のテレビ広告をきっかけに、住宅販売の営業に興味を持ちました。前職は残業こそ多かったものの、お客様から喜びの声を寄せられることもあり、それが大きなやりがいでした。ただ、営業職としてさらなるスキルアップのための勉強がなかなかできず、転職を決意した次第です。貴社なら、前職で培ったスキルを生かしつつ、新たな分野でさらに営業職として高みを目指せると考え志望しました」
給与に不満を感じている場合
給与に不満があったと伝えてしまうと、ネガティブな印象を与えてしまいます。そのため、このケースでは「昇進しづらい環境だった」と言い換えましょう。正当な評価を受けられる環境に身を置きたい、公正な評価で昇進を目指したい、といった内容ならポジティブに受けとってもらえます。
<例文>
「現在の職場は年功序列であり、成果をあげてもなかなか評価につながりにくい環境でした。実際に、2期連続で高い目標を達成したものの評価には反映されませんでした。
貴社は、年齢や経験に捉われない、個々の成果に応じた公正な評価制度を設けており、そのような環境なら、今まで以上に高いモチベーションを維持して業務に取り組めると考え、貴社を志望しました」
まとめ
営業の採用面接では、何もかも正直に答えるのではなく、採用担当の方に少しでも好印象を与えられる理由を伝えなくてはなりません。たとえネガティブな理由で転職を決意したとしても、言い方などに工夫し、ポジティブな理由に変換して伝えましょう。
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