経理・財務職の職務経歴書の書き方見本【サンプルフォーマットあり】

目次



採用担当者は、経理・財務職の職務経歴書のどこを見ているのか

職務経歴書は自分という商品を売り込むパンフレットだと考えてみてください。商品のセールスポイントがそれぞれ異なるように職種によってアピールするポイントは異なります。

書類選考をパスできる確率をグッと高めるためには、記述する順番、内容、表示の仕方、ご自身の経験やスキルをアピールするポイントを押さえることが必要です。

採用担当者は、職務経歴書の『経理・財務経験者としての業務キーワード』を見ています。中途採用においての経理・財務職の求人は、ポストが限られており、経験重視の少数採用です。他の応募者との書類上の差別化が重要になります。キーワードマッチング的な要素もありますので、一般的な表現を使いながら、一目でわかるような工夫も必要となります。例えば「連結決算経験必須」という案件の場合、職務経歴書に「連結決算」という語句が無いと書類選考が通らない可能性があります。

重要キーワードとしては、「国際会計基準」「株式上場」「マネジメント経験」「税務申告」「語学力」になります。以上を踏まえ「職務経歴書の基本的な書き方」を記載しますので、効果的な職務経歴書を作成する際にぜひ参考にしてください。

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経理・財務職の職務経歴書の書き方のポイント

見本(サンプル)

職務経歴書

日付:

氏名:

【経験/技能概要(責任者として対応可能な分野)】

管理会計
(予算作成、予算実績対比)
英文会計
(USGAAPに基づく英文財務諸表 対応可能)
税務会計
(法人税申告書作成 各別表作成、消費税申告書作成、償却資産税申告書作成、他)
連結会計
(資本連結、債権債務相殺消去仕訳、連結財務諸表作成 他)
マネジメントスキル
(マネジャーとして最大5名のマネジメントを行う)
語学(英語)
海外本社に対して、電話、メール、文書作成など全て対応経験あり
ITスキル
Excel Word PowerPoint 会計ソフト(○○会計, SAP R/3)
【職務経歴詳細】
[ 株式会社アデコ電気 (1991年4月~1997年10月) :東証一部上場企業 ]
  • 事業内容:通信システム、情報処理システムならびにこれらに関するサービスの提供
  • 資本金: ○○億円
  • 売上高:2003年度○○○億円
  • 従業員数:1000名
  • 海外拠点○ヶ所
1991年4月

一般会計

  • 月次・年次決算(仕訳→試算表の作成→決算報告書の作成)
  • 受取手形の債権保全(支払手形との相殺)

管理会計

  • 月次損益 予算実績の差異分析
  • 製品毎の個別原価管理

次中長期計画書の作成

  • 営業担当者との折衝(代金回収及び工事進捗状況など)
  • キャッシュフロー予想表の作成

税務会計

  • 固定資産の償却資産税申告、土地の減免申請
  • 財産基本通達に基づく土地の時価評価額算定(地価税申告)
  • 法人税の別表作成(土地譲渡益課税)

公認会計士対応全般

1995年3月 リーダー職に昇格 4名の部下の管理を行う
1996年6月

ERPパッケージ導入プロジェクトチームに経理部門の責任者として参画。通常業務と兼務。
事業内容:○○○社との経理システム開発/導入プロジェクト
(総開発費用10億円、ピーク時の投入人数50名以上)
全社に基幹統合パッケージ SAP R/3を導入
会計モジュールをベースに、独自機能××××を付加 経理部門の人数半減を目標とした業務改革(BPR)

担当役割

  • 業務プロセス分析~導入企画~要件定義~カスタマイズ~
  • 統合テスト〜導入〜ユーザー教育の過程に専任として参画

成果

  • 経理部門の人員削減計画実施に貢献
  • 販売・物流、生産・購買、会計、原価計算をカバーする基幹系業務システムを再構築。
  • 国内の営業・生産拠点および海外現地法人とのシームレスなデータ活用を実現した。

大手電気メーカーはゼネラリストを養成する方針の企業が多く、在籍していた会社も同じような考え方であったが、自分としては経理の職種でキャリアを積みたいと思い、転職。

[アデコヒューマンリソース株式会社(1997年11月~現在)]

事業内容

  • 人材派遣、人材紹介、アウトプレースメントなど国際的な総合人材サービス

資本金

  • ○○億円 売上高:2003年度○○○億円 従業員数: 1000名

キャリアグループ概要

  • 資本金 ○○○億円 売上高:2003年度○兆○千億円
  • 拠点数○○ヶ国○千拠点以上
1997年11月 総務部 財務課 財務管理Gr マネージャーとして配属(部下5名)

事業内容

  • Income Statement 差異分析
  • スイス本社への売上状況、キャッシュフロー等の報告
  • 商品開発時の原価計算指標作成、損益効果算定
  • 英文財務諸表の作成
2000年5月 総務部 経理課 連結決算Gr 連結決算財務諸表責任者

事業内容

  • 連結財務諸表作成、及び統括
  • 連結決算システム管理/運用
  • 決算短信作成
  • 有価証券報告書作成
  • 連結子会社への会計処理指導
  • 四半期ごとの連結決算

担当役割

  • 個別会社決算から連結決算への転換に伴う諸業務
  • 従来5営業日であった締切日を、業務効率化により3営業日に改善する。
  • ○連結キャッシュフロー計算書の導入
  • ○税効果会計
  • ○金融商品会計などの新会計基準の導入
  • ○合併/株式交換/会社分割に関する会計処理
2002年6月 経理課システムプロジェクトチームの責任者として参画。通常業務と兼務。

事業内容

  • 新たな連結決算システム(パッケージソフト)導入の検討/提案同システムと個別決算システムのデータ連携機能やデータ間整合性チェック機能の開発/提案

担当役割

  • プロジェクトマネージャー(メンバー社内2名 外注先10名)

成果

  • 2003年度中間連結決算の発表日を前年比2週間短縮するなど連結決算業務の効率化を実現

前職からの経理システム開発/導入経験を生かし、四半期連結決算実施の必要性とその実現に必要なシステム要件を提案し、各社の業務負荷を押さえて、かつ四半期連結財務諸表の有用性を確保するように、実施要綱をまとめ、各社の2003年度より四半期連結決算を試行。また連結決算実務を若手メンバーに引き継ぐべく、教育/指導に注力している。

【所有資格】
1990年 日商簿記検定1級合格
初級システムアドミニストレータ合格
TOEIC○○○点
税理士科目合格(簿記論、財務諸表論、法人税法)
現在、税理士と併せて、米国公認会計士(US CPA)取得に向けて、独学中。
【志願動機】

海外展開をしている日系大手メーカー、そして世界展開をしている外資系企業を経験、仕事にも恵まれ、英文会計や連結決算を経験することが出来、その業務には自信を持っております。また、二度のシステム導入を経験しておりますので、業務プロセス分析からユーザー教育までの一連の流れを、責任者として対応できるスキルを身に付けました。御社を希望させていただきましたのは、日本法人のスタートアップとして、経営幹部を募集されているためです。経営幹部としての経験はありませんが、今までの経験を生かしていけば、必ずお役に立てると確信しております。現在はさらに加速している会計分野の国際化に対応するため、米国公認会計士取得に向けて○○インターナショナルに通学中です。ぜひ、よろしくお願い申し上げます。

∗英数字は半角入力、以外は全角入力が好ましいです

【日付・氏名】

記入日の日付と氏名を明記してください。

【経験/技能概要】(責任者として対応可能な分野)

財務・経理職は業務経験が特に重要となります。重要視される業務内容・経験は例えば以下のような項目です。

  • 内部統制、内部監査(SOX法など)
  • 税務申告
  • 株式公開関連
  • 年次、連結決算
  • US GAAP
  • 国際税務
  • マネジメント経験

また、どこまで一人で任されていたのかということは重要ですので、わかるように明確に記載しましょう。

【職務経歴詳細】

「経験/技能概要」で記述した職務経歴の詳細を時系列にて企業別に記述しましょう。記述する際には、上記の項目と以下を意識して職務経歴書に記述しましょう。

・経験に対する貢献度割合
・マネジメント経験の有無

  • システム導入プロジェクトや何らかの特別に組織されたチームでの成果は、社内の信頼度の高さの証明にもなりますので、必ず記載しましょう。
  • 特に外資系企業の場合、一貫したキャリアが好まれます。日系の大企業ではゼネラリストを育てようとする傾向があり、財務/経理とは直接関係の無い業務につくことがあります。他の業務経験が長い程、評価が低くなる傾向がありますので、財務/経理職に関する業務経験・業務内容を優先して記述しましょう。
  • 会社概要や規模を記述することによって仕事内容をイメージしやすくなります。経理職は、特に会社の事業内容が業務内容に影響しますので、具体的な数字を含めて、記述する必要があります。
  • 財務/経理職は、効果が見えにくい業務です。自分自身で改善したことなどがある場合は、必ず記述しましょう。
  • 使用経験のある、会計システムや会計ソフトなどのツールも全て記載しましょう。

【所有資格】

資格が全てではありませんが、募集要項に「有資格者」と指定してくる企業も少なくありません。また、最近は英語力の必要な案件も増えてきておりますので、TOEICの点数などは記述しておきましょう。

【志望動機】

絶対に必要な項目ではありませんが、現在の転職市場において「転職理由」と「志望動機」は、選考ポイントとしてかなり重要視されます。
また、職務内容で表現できない経験/実績を自己PRする場として活用できます。例えば専門学校に通っている、通信教育にチャレンジしているなどの自己啓発などです。 応募企業に強い思い入れがあれば自己PRする場合としても有効であり、好印象を与える可能性も高いです。

経理・財務職の職務経歴書のサンプルフォーマットをダウンロード

下記より「職務経歴書」のサンプルフォーマット(Word)をダウンロードいただけます。

Check Points!

  • 専門業務キーワードが盛り込まれているか
  • 業務上の自分の役割(範囲)を伝えられているか
  • 実行した成果をアピールできているか

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