社内ベンチャー制度のある企業15選|過去の事例を基に解説

目次

社内ベンチャー制度とは

みなさんは「社内ベンチャー制度」をご存知でしょうか。社内ベンチャーとは、社内に設置されていながら、独立のベンチャー企業として新規事業を行う部門のことです。

社内ベンチャー制度を導入している企業では、新規事業への進出や人材育成、資産の有効活用などを目的として、社員が自主的に新規事業を行うという形で運営され、それに対し上層部が全面サポートするといった体制が敷かれています。

またメリットとして、本部のブランド力も生かした経営ができる点や、ゼロから独立して起業するよりもリスクが少なく、スムーズに事業をスタートできる点も挙げられます。

今回はそんな、自ら新規事業に挑戦できる環境の整った注目すべき15の企業を、過去の事例なども交えてまとめて紹介していきます。

1.サイバーエージェント

サイバーエージェント

IT分野で多くの新規事業を生み育ててきたサイバーエージェント社。同社には事業育成と人材育成を目的とした「CAJJプログラム」という制度があり、利益規模やサービス規模などにより事業のフェーズを10段階に分け、昇格や撤退基準を明確にすることで事業を拡大させる仕組みとなっています。

これまでCAJJプログラムで起ち上がった社内ベンチャーとしては、ソーシャルゲーム開発を行う「Cygames」や「サムザップ」 、スマートフォン広告事業を行う「CyberZ」や「CAリワード」などが挙げられます。

2.リクルート

リクルート

多くの起業家を輩出していることで知られるリクルート社。同社には新規事業提案制度として「New RING」という社内ベンチャー制度があります。ウエディングに関する「ゼクシィ」や、食・美容の情報を扱う「ホットペッパー」など、現在リクルートの柱となっている事業はここから生まれました。

近年では社外審査員として堀江貴文氏を迎えるなど、より社会目線でアイデアを審査し、新たな可能性の芽を生み出しています。

3.凸版印刷

凸版印刷

凸版印刷では社内の有能な「人財」を発掘し起業化を促すことで、挑戦的な企業風土を育成し、成長の原動力としています。発足した新規事業は3年以内の黒字化、5年以内の累損解消を目指しているそうです。

これまでにはキャラクターを中心としたコンテンツの発掘と商品化、権利保有と斡旋を行う「キャラプロドットコム」や、研修や組織開発コンサルティングを行う「凸版マインドウェルネス」が同社から生まれています。

4.ディー・エヌ・エー

ディー・エヌ・エー

「世界を切り拓く永久ベンチャー」を謳うディー・エヌ・エー社。様々なベンチャー企業と事業提携する一方で、新規事業コンペティションにも積極姿勢です。

2014年3月に東証マザーズへ上場した、結婚式場の口コミサイトを運営する「みんなのウェディング」は同社の社内ベンチャーから誕生しました。社内の募集はもちろん、一般や学生に対しても広く新規事業アイデアを募っています。

5.積水化学工業

積水化学工業

住宅建材や高機能プラスチックで知られる積水化学工業は、「志塾」と呼ばれる社内企業家育成塾を設けています。塾生に選ばれた社員はそれまでの仕事を離れて、新規事業立ち上げに専従となります。

このほか同社では、若手リーダー候補の育成や企業DNAの継承を目的にした「変革塾」、幹部候補生などビジネスリーダーを対象にした「際塾」など社員の成長を後押しする制度が敷かれています。

6.博報堂

博報堂

広告代理店として知られる博報堂では「ad+venture」という公募型ビジネス提案制度を設けています。手厚い資金面での援助のみならず、新規事業立案を助けるメンターが付きます。事業に失敗しても元の部署に復帰できるなど挑戦へのハードルが低くなっています。

これまでには他社のニュースサイトの立ち上げやCMを手掛ける「NEWSY」や、手芸にまつわる情報を集約したポータルサイトを運営する「ステッチステッチ」などが設立されています。

7.シチズン時計

シチズン時計

時計などの精密・電子機器を製造するシチズンは、ベンチャーを支援する子会社「シチズン・アクティブ」を設立し、社内ベンチャーを育成する体制を整えています。従業員から将来独立させるのが望ましいと判断された事業を支援しています。

過去にはシチズン時計のアウトレット販売を手掛ける社内ベンチャーを設立。この新会社により、シチズン時計は大きく売り上げを伸ばしたとのことです。

8.NTTデータ

NTTデータ

データ通信やシステム構築を行う大手システムインテグレーターであるNTTデータでは、1998年に社内ベンチャー制度を導入しました。

1999年に設立された「株式会社NTTデータイントラマート」はこの制度から独立した企業で、NTTデータ本体では行っていなかったクライアントに合わせた柔軟なシステムを提供することによって成功を収めています。

9.ヤマハ発動機

ヤマハ発動機

主に二輪自動車で知られているヤマハ発動機。同社の社内ベンチャー制度からは、研磨装置と酸素関連技術に特化した「ワイムアップ株式会社」が生まれています。

ワイムアップ社は少数精鋭によるスピード開発を強みとしており、酸素富化膜を利用した酸素発生器を世界で最初に量産した実績を持ち、1999年に中小創造法認定企業に認定されました。

10.東芝

東芝

大手総合電機メーカーとして知られる東芝。以前から社内ベンチャー制度を採り入れ、新規事業の発足を促してきました。

鉄道乗り換え・時刻表案内サービスを展開する「株式会社駅探」は東芝の社内ベンチャー制度から生まれ、独立した会社です。1997年から開始されたサービスですが、現在ではスマートフォンの普及により、電車乗り換えアプリとして多くの人が利用しています。

11.NEC

NEC

総合電機メーカーであるNECも平成4年から「ベンチャー推進プログラム」という社内制度を開始し、新子会社を生み出しています。

1996年に設立された「リッチピクチャーズ株式会社」は、現在システム開発や就活支援、人材開発など様々な面から企業を支援する事業を行っています。

12.富士通

富士通

富士通は2015年に新たなベンチャーファンドを設立し、国内外のベンチャー企業と協業する体制を強化する一方で、社内ベンチャー制度の強化も促進しています。

世界規模の電子書籍のアグリゲーション・ディストリビューションビジネス事業を行っている「株式会社パピレス」はこの制度から独立した企業です。

13.ソニー

ソニー

ソニーでは「新規事業創出部」が設置されています。この部署はこれまでの一般的な公募制と違い、メンバーの想像力を新規事業や起業に発展させてくための専門部署とのことです。

過去のソニー発の社内ベンチャーとして話題になったのは「Fashion Entertainments」です。電子ペーパーを使って24の柄に変わる腕時計を開発しました。

14.パナソニック

パナソニック

大手総合電機メーカーのパナソニックは、社内ベンチャー制度として「パナソニック・スピンアップ・ファンド」を設けています。2001年の創設以降、30社のうち10社が存続するという異例の成功率の高さを誇っています。

アクティブリンク株式会社はパワーアシスト機器「パワーローダー」を開発・販売しているパナソニック発の社内ベンチャーです。同社はメディアでも多く取り上げられている成功例の一つです。

15.三菱商事

三菱商事

大手総合商社である三菱商事では、社内ベンチャー制度から「Soup Stock Tokyo」を運営する「株式会社スマイルズ」を誕生させています。

スマイルズでは現在Soup Stock Tokyoのほか、前所有者の物語まで受け継ぐリサイクル店「PASS THE BATON」や、珍しい柄が揃うネクタイ店「giraffe」なども展開しています。

まとめ

制度の目的は会社によって重視するものがそれぞれ異なりますが「チャレンジ精神の育成」、「新規事業への進出」、「社内資産の有効活用」などに集約されそうです。自分で起業するよりある程度リスクの低い社内ベンチャー制度。実現したいアイデアがあるのであれば挑戦したいものです。

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