#転職 #送付状
転職活動で使用する書面で、履歴書や職務経歴書と並んで重要なのが送付状です。送付状に盛り込む内容や封筒へ入れる際のマナーなどを把握していないと、採用担当者に悪い印象を与えかねません。本記事では、転職活動における送付状の必要性や役割、書くべき内容などを解説します。
目次
送付状(添え状・送り状)とは?
送付状とは、ビジネス文書を送付する際に封筒へ同封する書面です。添え状や送り状、カバーレター、挨拶状と呼ばれることもあります。請求書や見積書などのビジネス文書に限らず、企業へ履歴書や職務経歴書などを送付する際にも、送付状を同封するのがマナーです。
送付状は何のために同封する?
転職活動における送付状は、企業の採用担当の方へどのような書面を送付したのか知らせるために同封します。送付状の同封によって、採用担当の方は何が送られてきたのかを即座に把握できます。また、採用担当の方への挨拶も送付状がもつ役割のひとつです。
転職活動における送付状の役割は?
ビジネス文書を送付する際には、送付状を同封するのが一般的なマナーとして浸透しています。そのため、履歴書や職務経歴書を企業へ送る際に、送付状を同封していると、社会人としての基本的なビジネスマナーや常識を身につけている人材である、とアピールできます。
また、採用担当の方への配慮としても送付状の同封は有効です。採用担当の方は、毎日のようにさまざまな文書を受け取っています。送付状があると、誰が何を送ってきたのかをすぐに把握でき、スムーズに書面のチェックへ移行できます。
送付状を作成するときの基本的なルール
送付状の作成には、いくつか覚えておくべき基本的なルールがあります。ルールを無視して自己流の送付状を作成してしまうと、採用担当の方にネガティブな印象を与えるどころか迷惑になってしまいかねないため、ルールを正しく把握しておきましょう。
A4用紙を使用する
送付状もビジネス文書の一種であるため、A4用紙を使用するのが基本です。日本のビジネスシーンでは、請求書や見積書、契約書など各種ビジネス文書をA4サイズで作成するのが一般的です。厚生労働省が1993年にすべての公的な文書の用紙規格の統一を図りました。それに倣いビジネス文書もA4サイズが主流となりました。
作成時には、A4用紙1枚にすべての内容が収まるようにしましょう。送付状だけで複数枚にまたがると、採用担当の方の負担を増やしてしまいます。
パソコンを使って横書きで作成する
多くのビジネス文書は横書きで作成されるため、送付状も同様に横書きにします。ビジネス文書であることを考えると、手書きは控えたほうが無難です。パソコンを使用し、採用担当の方が読みやすいようにしましょう。
フォントはパソコンにプリインストールされている一般的な明朝体やゴシック体などを用います。目立たせようと、個性的なフォントを使用するのは逆効果となるおそれがあるため注意が必要です。文字が小さすぎると読みづらくなってしまうため、文字サイズ は10.5~11ポイントに設定します。
なお、パソコンを所有していない、使えないといった理由で手書きするのなら、横書きではなく縦書きにしましょう。
文体は敬体(です・ます調)で統一する
送付状はビジネス文書であるため、です・ます調で作成します。面識がない採用担当の方に、失礼な応募者と思われないよう、敬体を使用しましょう。
作成したあとに、必ず誤字脱字のチェックを行うのも大切です。必要事項をすべて満たした、形式的には正しい送付状を作成できていても、誤字脱字があるとすべてが台無しになってしまいかねません。作成時に注意するのはもちろん、書き終えたあとも読み返し、ミスがあれば適切に修正をしましょう。
転職活動をする際に送付状に書く内容
送付状の基本的な構成は以下の通りです。
①日付
日付は送付状の右上に記載します。履歴書や職務経歴書をポストへ投函する日を記載してください。西暦と和暦を混在させず、書面内でどちらかに統一します。
②宛名
書面の左上に宛名を記載します。企業名や部署名などは省略せず、正式名称で記載しましょう。採用担当の方の氏名がわからない場合は、「人事部御中」や「採用ご担当者様」と書きます。
③署名
署名は、自分の連絡先や氏名です。郵便番号を記載のうえ、都道府県から住所を書きます。電話番号は携帯電話など、日中でも連絡がとれる番号を記載します。
④前文
本文の前置きです。その時季に応じた時候の挨拶を入れましょう。1月なら「拝啓 初春の候、貴社ますますご繁栄のこととお慶び申し上げます」といった具合です。
⑤応募の経緯
求人サイトを閲覧した、求人情報誌で知ったなど、応募にいたった経緯を記します。閲覧した媒体名も記載しましょう。
⑥志望動機
なぜ志望したのか、3~4行程度で簡潔にまとめます。履歴書や職務経歴書にも書く内容なので、必須項目ではありません。ボリュームが大きくなりすぎないよう注意しましょう。
⑦自己PR(必須項目ではない)
志望動機に併せて自己PRを記載すると、採用担当の方に情熱を伝えられる可能性があります。ただ、これも履歴書や職務経歴書に書けるため、必須項目ではありません。
⑧面接の申し込み
面接を希望する旨を記載します。「何卒よろしくお願い申し上げます」の一文を入れましょう。
⑨結語
ビジネス文書を締めるときのマナーです。冒頭に「拝啓」を使用したのなら、結語は「敬具」となります。
⑩同封書類の一覧
何がどれくらい同封されているのかを記します。「履歴書1部、職務経歴書1部、全2枚」のように書きましょう。
前述したように、志望動機や自己PR、希望条件などは履歴書や職務経歴書、もしくは面接で伝えるべき内容であるため、必ずしも送付状に書く必要はありません。書く場合も、短く端的にまとめましょう。
履歴書と送付状を封筒に入れる際のマナー
送付状や書類を封筒に入れる際にもマナーがあります。正しいマナーを覚えて、採用担当の方に良い印象を持ってもらえるように心がけましょう。
送付状を応募書類の先頭に重ねる
封筒の正面から見て、送付状が先頭になるように入れましょう。一番上が送付状、次に履歴書、職務経歴書、その他の書類といった形です。
これらの書類はそのまま封筒に入れるのではなく、クリアファイルを使用します。折り目がついたり、雨などで封筒や書類が濡れたりするおそれがあるためです。また、履歴書は三つ折りや四つ折りにせず、二つ折りで入れましょう。
封筒のサイズは角形A4号か角形2号を選ぶ
A4サイズのクリアファイルをそのまま入れられる、角型A4号や角型2号などを使用します。クリアファイルを使用しないケースでも、角型A4号や角型2号以下のサイズでは、履歴書を三つ折りや四つ折りにしなくてはならず、書類を開くのに時間がかかったり、折り目で読みづらくなったりと、採用担当の方に余計な手間をとらせてしまいます。
封筒に必要な内容を記載する
封筒の表側には、応募先企業の名称や住所、部署名などを記載します。宛名の企業名は略さず、正式な名称を記載しましょう。株式会社を「(株)」とするのもNGです。また、表面の左下には、赤字で「応募書類在中」と記載し、枠で丁寧に囲みましょう。
裏側には、送り主である自分の住所や氏名を記載します。郵便番号も書き、都道府県も略さずに書きましょう。
転職活動で送付状を書くときの注意点
転職活動で送付状を作成するのは、応募先企業へ郵送するときのみです。また、インターネット上でさまざまな送付状のテンプレートが配布されていますが、そのまま使用しないよう注意しましょう。
送付状は履歴書を郵送する場合のみ同封する
送付状は、ビジネス文書を郵送するときに使用する書面です。履歴書や職務経歴書などを、直接企業へ持参するケースでは作成する必要はありません。
ただし、持参するときも封筒には入れて提出しましょう。受付に手渡しするときは、封筒の中身と挨拶の言葉を伝えます。
テンプレートの文面をそのまま引用しない
インターネット上でリサーチすると、送付状のテンプレートはいくつも見つかります。必要な事項があらかじめ記載されており、作成の手間と時間を軽減できるものの、そのまま引用するのはNGです。
送付状のテンプレートは、誰が使用しても問題がないよう、当たり障りのない定型文が使用されています。採用担当の方は、日々多くの送付状に目を通しているため、テンプレートをそのまま利用すると、使い回しを見抜かれるおそれがあります。熱意が足りない、手抜きをする人物、と思われかねません。
転職エージェントを利用する場合は、履歴書、職務経歴書などの応募書類はもちろん、送付状が必要な際は、内容をチェックしてもらえます。書類通過につながる書き方もアドバイスしてくれるため、エージェントの利用はひとつの手段として検討してみましょう。
まとめ
履歴書や職務経歴書を企業へ郵送する際には、送付状を同封するのがマナーです。採用担当の方に少しでもよい印象をもってもらえるよう、正しい作成方法とマナー、注意点などを把握しておきましょう。
転職の成功率を高めたいのなら、転職エージェントを利用するのもおすすめです。転職活動に精通したコンサルタントが、個々の要望をていねいにヒアリングしつつアドバイスやサポートを行うため、転職の成功率を高められます。
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