目次
戦略的に「年収1,000万円越え」を目指そう
「年収1,000万円を絶対に超えたい!」
そんな目標を持った人が真っ先に犯す間違いが「今の仕事をコツコツ頑張っていれば、必ず結果はついてくる」と考えることです。
もちろん業界や職種によっては、この考え方でも年収1,000万円を超える人もいるでしょう。しかしこれは裏を返せば業界や職種によっては、どんなにコツコツ頑張っても年収1,000万円には届かないということです。
ではどうすれば年収1,000万円超えを果たせるのでしょうか。ここでは答えとなるおすすめの働き方を全部で4つ紹介します。
年収1,000万円超えを狙える場所に身を置く
前述したように、業界や職種を間違えるとどんなに頑張っても年収1,000万円を超えることはできません。以下では年収1,000万円超えを狙える場所に身を置くための働き方を2つ紹介します。
「生産性の高い業界」に転職する
世の中には数え切れないほどの業界が存在しますが、それらは生産性の高い業界と低い業界にわけることができます。この業界の生産性は、『このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む 転職の思考法』で紹介されている「仕事のライフサイクル」と対応しています。
世の中の大半のビジネスは、まずごく少数の人しか注目していないニッチなビジネスから始まります。次にそのビジネスの可能性に気づく人が増えて業界全体が盛り上がるスター的なビジネスへと変化します。しかしやがて業務が効率化されてルーティンワークへと変わり、最終的には消滅していくという流れを辿ります。
このうち生産性が高いのはスターまで。ルーティンワーク以降になれば代替可能性が高くなり、誰がやっても同じという状態になります。誰がやっても同じな仕事に高い報酬は支払われません。
そのためより高い年収を目指すのであれば、まだ誰も着目していない業界に身を投じるか、今盛り上がっている業界に転職するべきなのです。
そうした業界を見極める方法は主に2つ。一つは複数のベンチャー企業が参入しており、かつそれらすべての企業が業績を伸ばしている業界を探す方法、もう一つは既存業界の非効率を突く、新しいアプローチで攻めている業界や企業を探す方法です。
目当ての業界を見つけるためには日頃からアンテナを張っていたり、本や雑誌などからの情報収集をしたりと、ある程度の時間と労力が必要です。
しかし自分が今いる業界が、ライフサイクルのどのフェーズにあるのかは働いていればわかるはずです。もし業界全体がルーティンワーク以降である、もしくは自分の仕事が機械やAIに取って代わられそうな仕事である場合は、一刻も早く転職活動を始めるべきでしょう。
「自分が出世できる企業」をピンポイントで狙う
しかし仮にこれから伸びるニッチやスターの業界に転職できたとしても、企業選びを間違えればやはり年収を引き上げるのは難しくなります。なぜならどんなに生産性の高い業界でも、役職の低い人間の報酬はどうしても低くなるからです。
転職先で出世し、年収を引き上げるために必要になるのは、次の2つの視点です。
・その企業は「新卒重視」か?「中途重視」か?
・自分の職種と企業の強みが一致しているか?
その企業は「新卒重視」か?「中途重視」か?
新卒を重視する企業では、中途採用で入った人間は出世しにくい傾向にあります。そのため中途で入社しても出世したいと考えるのであれば、最悪でも新卒か中途かに関係なく正当な評価が受けられる企業に入る必要があります。
新卒重視の企業か中途重視の企業かの基準となるのは役員の経歴です。役員のうち新卒出身者が多いほど新卒重視の傾向が強い企業であり、中途出身者が多いほど中途重視の傾向が強い企業だと言うことができます。この辺りの情報は転職エージェントに確認すると教えてもらえるので活用するといいでしょう。
自分の職種と企業の強みが一致しているか?
営業が強い企業で、営業のトップに立てれば社内で最も大きな裁量権を持つことができます。そのため転職先でより高い報酬を受け取ろうと思えば、自分の職種と企業の強みが一致しているかをチェックする必要があります。
チェックする方法は大きく2つ。一つは商品やサービスの強みから、どこの部署のパフォーマンスが高いのかを推測する方法です。自社の商品やサービスと比較しながら、どこの部署が強ければどんな商品やサービスになるのかを考えてみましょう。
もう一つは経営陣のバックグラウンドから推測する方法です。どの部門の出身者が出世しているのか、前にいた会社では何をしていた人間なのか、そうしたところから社内で高く評価されている部署を探り出すのです。
年収1,000万円超えを狙える稼ぎ方を身につける
次に考えるのは年収1,000万円超えを狙える稼ぎ方を身につける働き方です。ここでも2つの働き方を紹介しましょう。
これから伸びる業界に身を置いたあともこれらの働き方は必要になりますが、とりわけ「たとえ伸びなくても、自分はどうしてもこの業界に残りたい」と考える場合は、より必要性が高くなります。
1,000万円プレイヤーの稼ぎ方を真似る
実践者の真似をするのが、最もシンプルで効果的な方法の一つです。筆者はライターとして5年間活動してきましたが、仕事の大半はWEBでのライティングでした。書き手が著名人や専門家である場合をのぞいて、WEBでのライティングは労働集約的な要素の強い仕事です。
ある程度までは1記事あたりの単価は上がりますが、早い段階で単価は頭打ちとなり、あとは数をこなさなければ収入を上げられなくなります。
しかし先日、年収1,000万円を超えているという先輩ライターと出会い、なぜそんなに年収が高いのかを聞いてみたところ「自分はブックライティングを中心に据えているから」とのことでした。さらに話を掘り下げると、WEBと本とでは単価に大きな差があるため、年収1,000万円も難しくはないようなのです。
とはいえ「この稼ぎ方なら年収1,000万円を超えられる」という情報を得たからといって、それをそのまま実行できるとは限りません。なぜならたいていの場合、割のいい稼ぎ方をするためには相応のスキルが必要だからです。
例えば歩合制の営業職やコンサルタント職は年収を上げやすいかもしれませんが、高い営業力やコンサルタントとしての能力が必須です。ブックライティングをするにも高い取材力と編集力が欠かせません。
しかしどのスキルを磨けば、年収1,000万円超えの稼ぎ方ができるのかがわかれば、あとはそのスキルを一生懸命磨けばいいだけです。がむしゃらに目の前の仕事を頑張るよりも、年収1,000万円超えまでの距離は格段に縮まるはずです。
小さくてもいいから事業を回す
会社員としての稼ぎ方から脱け出し、別次元の稼ぎ方にシフトする方法もあります。何も社会を変えるような大きな事業を立ち上げたり、それを成功に導いたりする必要はありません。規模は小さくてもいいので事業をスタートさせ、自動的に利益が出るところまで育てればいいのです。
例えばその事業の利益の5%を配当として受け取るという契約にすれば、年間1,000万円の利益が出れば50万円、5,000万円の利益で250万円、1億円の利益で500万円です。
会社員としての年収が500万円あれば、これで年収1,000万円です。一つの事業でここまで利益が出なくとも、2つ3つと展開すればそれだけ一事業あたりの利益は少なくて済みます。
「自分で事業を始めるのはちょっと……」という場合は、自分のスキルや人脈を活用できる事業を始めようとしている人と手を組んでもいいでしょう。配当は少なくなるかもしれませんが、そのぶんリスクも抑えられます。ただしこの場合、相手が信用できるかどうかを慎重に見極める必要はあります。
あるいはベンチャーキャピタリストである三戸政和さんが著書『サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい』で紹介しているように、数百万円で事業承継に苦しむ中小企業を買収し、そこで会社員としてのノウハウを生かして企業価値を引き上げ、そこから資本家としての利益を得るというドラスティックなやり方もあります。
「そんなことできるわけがない」と思うかもしれませんが、本書によれば存続が危うい中小企業の中には、一般的な企業なら当たり前の経営管理などがされておらず、それが原因で業績不振に陥っているところも少なくないのだと言います。
そのため会社員としてのノウハウをそのまま転用するだけでも、十分業績が改善する可能性があるのだそうです。こうした会社員として働きながら、資本家としての利益を得る方法に興味がある人は、ぜひ三戸さんの著書も手に取ってみてはどうでしょうか。
正しい努力だけが報われる
どんなに凄まじい努力も、その方向性が間違っていれば報われることはありません。なぜなら、報われるのは正しい努力だけだからです。これは仕事やその報酬としての年収も例外ではありません。
自分が今いる場所は、年収1,000万円を超えられる場所なのか?
自分の今の稼ぎ方は、年収1,000万円を超えられる稼ぎ方なのか?
こうした問いを自分に投げかけ、その答えをきっちりと考えたうえで行動に写せば、きっと結果もついてくるはず。正しい努力を積み重ねて、年収1,000万円超えを実現しましょう。
参考文献
『このまま今の会社にいていいのか?と一度でも思ったら読む 転職の思考法』
『サラリーマンは300万円で小さな会社を買いなさい』
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