今の時代、転職は当たり前? その理由と転職しやすい業界の特徴とは

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終身雇用制度の衰退や若年世代の意識変化などによって、転職は当たり前の時代になっています。この記事では、公的機関が公表する資料から転職の実態を把握し、転職が活発化した背景や転職することのメリット、転職を成功させるためのポイントなどを解説します。

目次

転職することが当たり前の時代になっている

近年、転職市場は活況が続いています。総務省が実施している「就業構造基本調査」の令和4年版によれば、有業者約6,706万人のうち、転職就業者(前職がある有業者)は約1,246万人で、5年前に比べて約19万人増加しています。また、これは就業者の2割弱が5年以内に転職していることを指します。この結果から、転職は今の時代において珍しいことではなくなっているということが読み取れます。

【出典】総務省「就業構造基本調査」https://www.stat.go.jp/data/shugyou/2022/pdf/kall.pdf, P1 男女、就業状態別15歳以上人口(2017年、2022年)ー全国, (参照2023-09-27)

【出典】総務省「就業構造基本調査」https://www.stat.go.jp/data/shugyou/2022/pdf/kall.pdf, P26 転職就業者数及び離職非就業者数(2017年、2022年)ー全国, (参照2023-09-27)

転職経験者の割合

厚生労働省が公表している資料「令和4年版労働経済の分析」では、転職される方の実態が示されています。転職経験者の割合は、正規雇用労働者では男性51.2%、女性61.2%、非正規雇用労働者においては男性81.8%、女性88.7%であることが明らかになりました。これにより、非正規雇用の方が正規雇用よりも転職経験者の割合が高いことが読み取れます。また、就業形態に関係なく、男性よりも女性の方が転職経験者の割合が高いことも明らかとなりました。

また、初職の企業規模別での転職者割合を集計した調査では、初職の企業規模が大きくなるにつれて転職経験者の割合が低くなることがわかりました。ただし、年齢が上がるほどその差は縮小しています。

【出典】厚生労働省「令和4年版労働経済の分析」 https://www.mhlw.go.jp/wp/hakusyo/roudou/21/dl/21-1.pdf, P166-P167 転職経験者の割合, (参照2023-09-27)

転職するのが当たり前になった背景

終身雇用が衰退している

かつての日本社会では、新卒一括採用と終身雇用を中心としたメンバーシップ型雇用が主流でした。一方、欧米諸国では企業が職務に応じて必要な人材を採用するジョブ型雇用が一般的です。日本とは違い、定年まで単一の企業に在籍するのではなく、専門的な人材が複数の企業を渡り歩くという雇用制度が浸透しています。

最近では、日本でもジョブ型雇用を採用する企業が増えつつあります。これにより、単一の企業で定年まで働き続けることにリスクを感じる方も増えました。また、企業においても、採用時に求職する方がこれまでどの企業で働いていたかよりも、その方の持つスキルや経験を重視する傾向が強まっています。

若者の意識が変化している

1990年前後のバブル時代を経験していない若い世代にとって、転職に対するイメージがネガティブに捉えられていないことも、転職が活発化している要因です。加えて、2000年前後の就職氷河期や2008年に発生したリーマン・ショックによる就職難やリストラを目の当たりにした世代であることから、終身雇用制度に対する信頼度が低いという側面もあります。

また、SNSの普及によって情報収集が容易になったほか、自分らしく生きるという価値観が重視されるようになったことも、転職をポジティブに捉えることに影響を与えています。このトレンドは、世代が下るにつれてますます強まっていくことでしょう。

企業の中途採用が活発化している

多くの企業で中途採用が活発に行われていることも、転職が定着しつつある要因のひとつです。少子高齢化の進む日本社会において、新卒採用をはじめとする若年層の採用は今後ますます難しくなることが予想されます。そのような状況では、中途採用を拡充して人材確保を行う企業が増えています。

そもそも、即戦力となる人材を獲得する中途採用は、教育コストがかからないというメリットが以前からありました。近年、企業はDX(デジタルトランスフォーメーション)の推進や、最先端技術を活用したサービス開発などで、高度な専門技術や知識を持つ人材の需要が高まっています。それに伴い、企業は既存の従業員に新たな技術を習得させるだけでなく、外部から専門知識やスキルを持つ人材を採用することに積極的に取り組んでいます。これも、中途採用市場の拡大を促進しています。

転職することで受けられる3つのメリット

キャリアアップできる

自分のやりたいことや、さらに追求したい業界・業種が明確な場合、転職はその目標に向かうための有力な手段です。もし求人先の企業が求める専門的な知識やスキルを有している場合、採用までのプロセスがスムーズになるほか、より好条件を引き出せるかもしれません。

また、業種や職種を変えて新たなキャリア形成にチャレンジする道もあります。キャリアアップやキャリアチェンジは、転職における大きなメリットのひとつです。

年収アップにつながる

現在よりも給与水準が高い企業に転職することで、年収アップが見込めます。異なる業界や職種に転職した場合でも、スキルや経験を生かすことにより年収が増加する場合もあります。

新たな環境下に身を置くことで緊張感が生まれ、これまで以上のパフォーマンスが発揮できるかもしれません。これまで自分の働きが正当に評価されていないといった不満を抱いている場合でも、適切な人事評価制度を構築している企業に転職することによって年収の向上が期待できます。

自分に合った環境・待遇で働ける

働く方にとって労働環境や待遇は重要な条件です。もし今の職場が自分の求める条件を満たしていない場合、転職によって解決できるかもしれません。たとえばワーク・ライフ・バランスを重視する場合、残業がほとんどない職場や休暇制度が充実した企業への転職が望ましいでしょう。ほかにも育児や介護といった家庭の事情を抱えているケースでは、リモートワークやフレックス制などの柔軟な働き方を取り入れている企業に転職することで課題が解決できる可能性があります。

理想の環境に転職するために大切なポイント

転職に求める条件を明確にする

転職活動をはじめる前に、まずは目的や条件などを明確にすることが重要です。転職によって何を実現したいのかなどを具体的に言語化します。「年収を上げたい」「休みを増やしたい」といった待遇面だけでなく、「専門的な知識やスキルを身に付けたい」「正当に評価してほしい」「新たな業務に携わりたい」などのやりがいも含みます。求める条件や目的に適合した職場を選別した上で転職活動を進めることで、理想の労働環境を手に入れることが可能です。

転職エージェントを利用する

転職エージェントの利用は、転職活動を効率的に行う上で有効な手段です。転職エージェントは、希望する条件から最適な企業を紹介することをはじめ、履歴書の添削や面接のアドバイス、模擬面接といった転職活動に関する手厚いサポートも受けられます。転職に不安がある方や転職活動をよりスムーズに進めたい方は、転職エージェントを有効に活用しましょう。

年収アップに固執しない

年収アップを転職の目的とする方は多いですが、転職によって必ずしも前職より収入がアップするわけではありません。年収ばかりに固執してしまうと、自分のキャリア構築に最適な職場や好条件の企業を見逃してしまう可能性があります。年収にこだわりすぎず、より視野を広げて転職先を選ぶことが重要です。

企業が求める採用ニーズを考える

求人先の企業が求めるニーズを確認することで、そのニーズに合った経験やスキルをアピールすることが可能です。企業から高い評価が得られやすくなり、理想の転職が期待できます。それには、自分の能力や経験、人柄などを客観的に見つめ直し、転職市場における自分の価値を見極めなければなりません。それによって、転職後も新しい環境にすぐ適応でき、能力を十分に発揮できることにつながるでしょう。

面接対策を十分に行う

求人先企業のニーズに合ったスキルや経験を有していたとしても、履歴書・職務経歴書や面接でうまく伝えられなければ選考を通過することは困難です。そのような事態を防ぐためには、まず職歴やこれまでの実績、人物像などを細かく洗い出すことを行う必要があります。その上で、履歴書・職務経歴書にアピールポイントを明確に記述し、面接時の自己PRで簡潔に伝えることが重要です。また、面接対策として受け答えの練習をしっかりと行っておくことで、本番の緊張を緩和できます。

転職しやすい業界の特徴

一般的に、「未経験可」と求人情報に記載されている企業が多い業界は転職しやすいと考えられます。未経験の方を受け入れる理由としては、主に慢性的な人手不足であることが挙げられます。ほかにも、企業が多様な人材を求めていたり、自社に合った人材を育成するところからはじめたいと考えていたりすることも考えられます。

しかし、たとえ未経験可であったとしても、即戦力を期待できる方が有利である点は変わりません。そのため、未経験の方もこれまでの経験をどのように生かせるかをアピールすることが求められます。理想の転職を実現するためには、目的や求める条件を明確化し、転職エージェントを利用したり面接対策を十分に行ったりすることが重要です。未経験の業界や業種、職種に応募する際は、自分のスキルや経験、やる気をしっかりアピールして成功につなげましょう。

まとめ

終身雇用制度の衰退などの背景から、近年では転職が当たり前の社会状況になりつつあります。転職によってキャリアアップや年収増などが期待できます。理想の転職を実現するには、企業の求めるニーズの把握や自分が求める条件の明確化、そして転職エージェントの活用がポイントです。

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