面接官が見ているポイント
採用・不採用を決める基準を解説

中途採用では基本的に募集ポジションの経験者を求めている場合が多く、即戦力となるかどうかが採用ポイントとなります。また、求職者の年齢も大きなポイントの一つです。

ここでは、採用ポイント、企業が年齢でどのような採用基準を設けているのか、そして不採用となるポイントをご紹介します。

面接の手ごたえと合否結果の判断方法(2) 企業の採用・不採用ポイント

目次

 

すぐに辞めないかどうか

終身雇用が一般的だった頃は「どうしてもこの企業で働きたい」と転職を希望する方が一般的でした。しかし人材の流動性が高まりつつある現在、選択肢を持つために複数の企業に応募する方が増えています。この変化を冷静に受け止めている企業は多く、面接では応募者が本当に自分の会社に入社したいと考えているかどうかを見極めようとしています。

たとえば常に条件の良いところを探している応募者の場合は、入社してもすぐに辞めてしまうかもしれません。そうなれば、再び求人募集をする必要が出てきますし、新事業立ち上げの場合などは計画自体が中断するリスクを伴います。入社してもすぐに辞めない人物かどうか、転職歴は少ないかなどを採用する判断の目安としている企業は多いと言えるでしょう。

もしあなたの転職歴が多い、もしくは短期間で前職を退職している場合には、書類選考時にすでにクリアしているとは思わず、面接の場はあなたの長期的な就業意思を確認する場でもあると心得ておきましょう。そしてなぜ転職をする必要があったのかをきちんと説明し、応募している企業とポジションに対する熱意とあなたが貢献できるポイント、長期的にその仕事にコミットする意思を必ず伝えられるよう、事前に準備しておきましょう。

年齢ごとに設けられる基準とは?

中途採用では年齢によって企業の期待値は変わります。求職者が30歳前後の場合なら社会人としての下地がしっかりできていることと、現在の経験やスキルだけではなく今後の伸びしろ、そして順応性を採用ポイントとしている企業も多くあります。つまり企業の規則や社風に馴染みやすいかどうか、社会人としての基本的な行動が身についているかどうかがポイントになるのです。

対して、30代後半や40歳以上となると、企業に貢献できると確信できる実績などが問われます。入社することで大きな即戦力になるような人材であることがこの年代の採用ポイントです。

必要なスキルか、組織に順応できる人柄か?

中途採用の場合、企業にとって悩ましい問題は必要なスキルを備えた人材か、組織に順応できる人材か、という選択です。もちろん、どちらも備えた人材が理想ですが、なかなかそううまくはいきません。必要な資格を有しすぐにでも戦力になる経験を持っている人物でも、万が一面接の受け答えでほかの社員と摩擦を起こしてしまうような印象を受けたなら、組織が正常に機能しなくなるリスクを考慮し採用に二の足を踏む場合もあります。

どちらを重視するかは、比較的大企業で企業文化が完成された組織ならば順応性を、ベンチャー企業等のまだ新しい組織であれば即戦力であることを重視する傾向が強いといえます。しかしながら新しい環境で働く以上、どんなに前職で実績を上げ、自分のやり方や方法論に自信がある場合でも、過去のやり方にとらわれずに新しい組織に順応できる柔軟性を示すことを忘れないようにしましょう。

企業側が不採用と決めるポイント

企業が不採用と決めるポイントはさまざまですが、ここでは代表的な3つのポイント「経験が不十分」「性格的に問題がみられる」「経歴詐欺などの虚偽記載」について解説します。

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1)経験が不十分

社会人になって十分な年数が経過しているのに、社会人としての基本所作を身につけていない場合です。一般常識はもちろんですが、業界によっては業界の基礎的な知識が求められることもあります。中途採用では業界・業種に関する基礎的な知識は備えていると考えるのが一般的です。

また、業界・業種に対する経験が乏しい場合も不採用になりやすいと考えていいでしょう。未経験者でも応募条件を満たしているならば面接に進めることもありますが、もし同じポジションに経験者が応募してきた場合は不採用になる可能性は高くなります。未経験でも可能というのは、あくまでも経験者の応募がなかった場合の考え方です。ただし、その業界は未経験であっても、業界を問わず十分に通用する汎用性を持った高度なスキルや経験があれば採用される場合もあります。

2)性格的に問題がみられる

面接という短い時間で応募者の性格を見抜くのは、非常に難しいことです。そのため多くの企業では、さまざまな人に意見を求めるなどの工夫をしています。組織でやっていくことが難しい性格であれば、不採用になる可能性は高くなります。

軽く話すだけではわからないことも多いため、応募者の人柄を把握するためにできるだけ複数の面接官で、複数回の面接を行う企業も少なくはありません。企業で働く以上、組織でうまくやっていけるかどうかは重要なポイントです。

3)経歴詐称など虚偽記載はもちろんNG

稀に採用後に経歴詐称が露見してしまう場合があります。内容によっては企業にとって大きな打撃になることもあるため、企業が採用時に応募者の経歴に相違がないかをチェックするのは当然のことです。

企業側にとって、素晴らしい経歴を持つ人材を迎えられるのは喜ばしいことですが、不自然な場合は調査することもあります。資格などの場合は証明書の提示を、学歴ならば卒業証明書等の提出を求めます。しかし、前職での実績や実際の活躍内容となると難しいことも多いため、場合によっては本人の了解のもとにリファレンス(現職や前職の会社の上司や同僚に連絡し、直接あなたの評価や評判、勤務態度を聞くこと)を求めることや、場合によっては秘密裡に以前の勤務先に問い合わせることもあります。

自分の実績や経験をアピールするのは大切なことです。しかし、虚偽や大げさな表現があると不採用どころか、それ以上の問題になる場合もあるので必ず正しい情報を伝えましょう。

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