40代の転職面接で成功するために必要な回答のポイント|現役のコンサルタントが解説

皆さんこんにちは。LHH転職エージェントの市野です。

今回の記事では、40代の転職面接で成功するために必要な回答のポイントについて、深掘りして解説します。

40代の転職面接では、どのような回答が面接官に安心感を与えるのか。この記事ではその具体的なポイントを詳しくご紹介していきます。

また、面接官がどのような意図で質問しているのかを読み取るコツや、実際の面接で使えるテクニックについてもお伝えします。この記事を読むことで、面接スキルが一段と向上し、「この人と働きたい」と思わせることができるようになります。

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この方にお話しを伺いました

市野 友
アデコ株式会社 執行役員
LHH転職エージェント IT領域 事業部責任者

上智大学卒業後、1997年にアデコへ入社。IT派遣部門の営業としてキャリアをスタートし、2001年に支社長、2010年に東日本エリアマネージャーへと昇進。2014年よりLHH転職エージェントにてIT領域の責任者として転職支援に携わり、現在はアデコ株式会社の執行役員として、LHH転職エージェントのIT領域事業全体を統括している。

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現職実績の再現性を8対2のバランスで伝える

― 40代の転職面接で成功するための最も重要な回答戦略は何ですか?

それは、「現職実績の再現性を8対2のバランスで伝える」というアピールです。あえて「不足している部分」を2割示すことで、話に説得力と奥行きが生まれます。

現職での成果を他の職場でも同じように出せる、いわゆる“再現性”に強い自信があったとしても、あえて2割は自分の課題や学びたい点を伝えた方が良いという考え方です。

具体的には、「即戦力として応募企業で実力をすぐに発揮できる」という部分を8割とし、「新しい会社の環境や文化に適応するためにキャッチアップが必要な部分」を2割として伝える、というものです。

この“8対2”という伝え方をすることで、多くの面接官に安心感と好印象を与えることができます。

― 40代の面接で「8対2アピール」を意識されている方は多いですか?

特に年収アップを目的に転職される方は、「自分の力を強くアピールしたい」という思いが先行し、過剰に実績やスキルをアピールしてしまう傾向があります。

しかし、それはかえって逆効果になるケースもあります。アピールのしすぎが逆効果になる理由は主に3つあります。

1環境変化による再現性リスクを織り込んでいないことで、「リスク管理能力が低い」と判断されてしまう可能性がある。
2新しい会社の環境や文化に合わせる努力をしない人だと見られてしまう。
3長期的に働いてくれるか不安を感じさせてしまう。

環境変化による再現性リスクを織り込まない

まず1つ目の「環境変化による再現性リスクを織り込まない」とどう見られるかについて。

たとえば、ある会社でDXを推進してきた方が、転職先ではその実力を全く発揮できなかったというケースは、転職市場でも非常によく見られます。

環境が変われば、必ずしも以前と同じように成果が出せるとは限らないことを、面接官はむしろよく理解しています。

ですので、「自分の再現性には限界がある」と正直に伝え、そのうえでどう適応していくかを説明する姿勢が、誠実さの表れとして評価されるのです。

― この点に関して、40代の転職希望者に多い傾向はありますか?

はい。どうしても経験が豊富な方の場合、自信過剰になりやすいという傾向があります。

ただし、面接においてはスキルや実力があることだけが評価されるわけではありません。
企業としては「この人に総合的に自社へ入社してほしいかどうか」、あるいは「入社後に不安を感じさせない人物かどうか」といった点も非常に重要な判断材料となります。

そういった意味でも、自己アピールと謙虚さのバランスはとても大切になってきます。

― 転職サポートの際、この点は意識されていますか?

はい。転職希望者の中には、逆に謙虚になりすぎてしまう方もいらっしゃいますので、バランス調整は非常に重要だと考えています。

面接になると、どうしても一本気になってアピールしすぎてしまう方も多いです。
ですから、自分自身を一度俯瞰して、「こういう部分がまだ足りない」とあえて伝えることが、かえって面接官に好印象を与える結果になることもあります。

新しい環境や文化に合わせる努力をしなさそう

一部の外資系企業では少し事情が異なりますが、多くの日系企業においては、「自信過剰なスタンス」自体が懸念材料と見なされてしまうことがあります。

「言うことを聞かない」「自分のやり方を変えない」といった印象を与えてしまいかねません。もちろん、自信を持つこと自体は素晴らしいことですが、「郷に入っては郷に従え」という姿勢もまた、企業文化において重要な要素です。

長期的な定着に対する不安

たとえば、応募者が「完璧にフィットしていて、すぐに成果を再現できる」と強調しすぎた場合、
見方を変えると「学びや成長の余白がない人」と見られてしまう可能性があります。
その結果、「この人は早い段階で飽きてしまうのではないか」「成長できないと感じたら、またすぐに転職してしまうのではないか」といった懸念を面接官に与えることになります。

このように、「自信が10割」というアピールは、実はデメリットになることも多いのです。
だからこそ、あえて2割の“足りない部分”を自分から示すという姿勢が重要です。

この姿勢を見せることで、回答にバランスが生まれ、面接官に安心感を与えることができます。

自信が持てない40代が面接で気をつけるべきポイント

もちろん、転職希望者や応募ポジションによっては、8割まで再現できると言い切れないケースもあると思います。
当然その場合はバランスを調整することが必要ですが、ひとつ重要なのは「必要以上に謙虚になりすぎない」ということです。

特にエンジニアの方に多いのですが、必要以上に謙虚さを見せようとして、かえって「自信がない」と見られてしまい、損をすることがあります。
40代の転職ですので、一定の自信を持って、バランスよくそのあたりを主張していただきたいと思います。

誰が面接するかで伝え方も変わる!役職別の評価視点

― 面接官の役職によって唸らせるポイントはそれぞれ違いますか?

はい。再現性以外の部分については、面接官の役割や役職によって、かなり見てくるポイントが違います。
これを理解しておかないと、面接官を唸らせるということはなかなか難しくなります。

一般的には「人事は人物像」、現場のマネージャーは「実務スキルと協調性」、部長クラス以上の方は「継続性やキャリア観」を重視して見ています。まずはこれを念頭に置きましょう。

― 対策として意識すべきことはありますか?

はい。一番ダメなのは、「捉えづらい人間性だな」と思われてしまうことです。
逆に一番良いのは、「この人はこういう強みがある」「こういう性格である」と面接官が記録に残しやすいように明確に伝えることです。

―  「捉えづらい人間性」とはどんな人ですか?

どうしても40代ともなると、プライドが先に立ってしまい、「自分は複雑な人間であって単純ではない」と見せたくなる方が多いです。
ですが、あえて面接の場では、相手に分かりやすく伝えることが非常に重要になります。

いかにシンプルに、「自分の人間性はこう」「強みはこれ」と伝えられるか。これが大切です。

現場マネージャーが面接官のときの対策

現場のマネージャーの方は、実際に一番近くで一緒に仕事をする相手になります。
ですので、まずは「スキル的に問題がない」「自信がある」ということをアピールした上で、「一緒に仕事をしたい」と思わせられるかどうかが最大の肝になります。

― 一緒に仕事をしたいと思わせるコツはありますか?

40代ともなると、どうしても影響力が強くなりがちです。
その影響力が、周囲に良い影響を与えてくれそうかどうかが見られます。
また、ケースによってはマネージャーや上司が年下ということもあるので、その年齢差も含めて、うまくやっていけそうかどうかという点を、面接で印象付ける必要があります。

― 8対2のアピールの「2」の不足部分を出すという点は、現場マネージャーへの対策にもつながりますか?

はい、そうですね。即戦力性が強いということであれば、当然その部分では安心感を与えられます。ただし、「チームにジョインする」という観点では、この2割の不足部分を「学んで合わせていく」という姿勢を見せることが非常に重要になります。

ですので、どんなに自信があっても、その2割の部分については「入社後にしっかりキャッチアップする」という姿勢を残しておくことが必要です。

部長クラス以上が面接官のときの対策

部長クラス以上の方、例えば役員などであれば、近い立場で仕事をするわけではありません。そのため、実務面というよりも「ビジョン」や「継続性」といった部分が重視されます。

つまり、「会社や事業の方向性」と「応募者が進みたいキャリア観」に一致があるかどうかの確認になります。

もし皆さんがエージェントを通じて選考に進んでいるのであれば、この点については必ずエージェントに確認していただきたいです。エージェントによっては、事前に面接官から、ホームページに載っていないような事業ビジョンを聞いていることもあります。

それらをしっかり確認し、ご自身のキャリア観と企業の方向性との一致点を整理する作業は非常に重要です。そのうえで「自分の方向性と会社の方向性が一致している」と明確に伝えられれば、それが面接官を唸らせる回答になります。

逆質問で失敗しないための心得

― 面接時の「逆質問」で注意すべき点はありますか?

はい。注意すべきポイントは3つあります。

1質問する相手を間違えないこと
2ホームページを見れば分かるような質問をしないこと
3取ってつけたような質問をしないこと

1. 質問する相手を間違えない

質問には、人事に聞くべきもの、現場に聞くべきもの、経営層に聞くべきものなど、それぞれ対象が異なります。
この判断を誤ると、20代ならともかく、40代であれば「組織やビジネスを理解していない」と見なされ、大きなマイナス評価となる可能性があります。

たとえば、最終面接で役員に対して現場の細かいKPIを聞いたり、現場担当者に人事しか知らないような就業規則を聞いたりするのはNGです。

2. ホームページで分かることを聞かない

これは40代に限らず、基本中の基本です。面接の前日には、必ず企業のホームページを一通りチェックすることを推奨します。

もし面接官が「それ、ホームページに載ってるよな」と思った瞬間、その質問は大きな減点対象になります。特に上場企業であれば、決算資料や統合報告書などもネットで入手できますので、40代の方であれば、そこまで調べておくのが前提と考えてください。

3. 取ってつけたような質問をしない

無理にひねり出した質問は、必ず相手に見抜かれてしまいます。芯を突いた質問が出てこないということは、「本当はこの会社に興味がない」と思われかねません。

事前にいくつかの“グッドクエスチョン”を用意しておくのが理想です。
本当にその会社に興味があり、業界理解もあれば、自然と質問は湧いてくるはずです。

― 質問が思いつかないときのアドバイスはありますか?

はい。そのような場合には、面接官の主観を問う質問をおすすめします。

これは会社の状況やスタンスを聞くのではなく、「〇〇さん(面接官)ご自身のお考えを伺いたいのですが……」というように、面接官の意見を引き出すタイプの質問です。

面接官も人間ですから、自分に興味を持ってもらえると好感を抱きますし、このような質問によって、最後の最後で距離がぐっと縮まるケースも実際にあります。

40代転職の鍵は「再現力」と「準備力」

40代の転職面接では、「経験が豊富だから安心」と思われがちですが、実際には“その経験をどう再現できるか”が問われています。

  • 面接官を唸らせる再現性「8対2」の黄金比
  • 面接官の役割・役職によって異なる評価ポイント
  • 逆質問で失敗しないための心得

本日お伝えした3つのポイントを意識するだけで、面接での印象や説得力は大きく変わります。今あるご自身のキャリアに、自信を持って臨んでください。

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