「35歳の転職」で失敗しない方法｜自分と他者の「キャリアの距離感」を知ろう

目次

• 「35歳の転職」第一歩はリスクを知ることから
• 実力よりも期待値が高くなりやすい
• 他者との「キャリアの距離感」を知って、失敗のない転職を
• 「35歳の転職」は慎重に計画しよう

「35歳の転職」第一歩はリスクを知ることから

「そろそろ転職した方がいいのか？あるいはしない方がいいのか？」

35歳前後になり、そんなふうに悩んでいる人も多いのではないでしょうか。

迷うのも無理はありません。世の中には「転職35歳限界説」もあれば、「今は時代が変わったから転職35歳限界説なんて嘘だ」と言う人もいるからです。本当のことは誰にもわかりません。

ただし、35歳前後の転職には確かにリスクがあって、それを踏まえたうえで転職を考えなければ、失敗する可能性が高いというのは確かです。

では、どうすれば失敗しない選択ができるのでしょうか。ここでは35歳前後の転職が抱えるリスクを説明するとともに、安全な選択をするための方法を紹介します。

実力よりも期待値が高くなりやすい

35歳前後になると「いざ転職活動をはじめてもなかなか決まらない」というリスクが、30歳前後の頃に比べて格段に高くなります。その原因は、採用側にとってこの年代の人材が「扱いづらい」からです。

35歳前後と言えば、大卒なら社会に出て13年、高卒なら17年です。これだけ社会人として働いていれば、何かと経験を積んでいるもの。もちろん経験はそのあとのキャリアにも役立ちますが、同時に扱いづらさの原因にもなります。

なぜなら「経験値が高い」ということは、企業側にとってさまざまな心配につながるからです。

・経験やスキルにプライドがあって、転職後も自分のやり方を貫こうとするのでは？
・すでに伸び代がなくなっていて、採用しても今以上の活躍はできないのでは？
・前職でそれなりの年収をもらっているから、うちではそれ以上の年収が必要なのでは？

選考過程でこうした不安要素をぬぐいきれなかった場合、どうしても採用のハードルを越えることができません。

加えてこの年代になると「もう10年以上も経験を積んでいるのだから」と、自分の実力よりも期待値の方が高くなり、条件が合わずに不採用になってしまうケースも増えてきます。

結果、転職活動で失敗するリスクが高くなってしまうというわけです。

他者との「キャリアの距離感」を知って、失敗のない転職を

35歳前後の人材が転職で失敗するリスクを下げるための方法の一つ。それは他者との「キャリアの距離感」を知ることです。

以下ではこれを転職するかどうかの判断に役立てる方法を紹介します。

「キャリアの距離感」とは？

キャリアの距離感とは、自分と社内の先輩、上司、同業他社の35〜40歳以上の人との間にある実力差や実績差のことです。

距離感を測るのは難しくありません。

先輩や上司に対しては「その人の仕事を奪うことができるかどうか」、同業他社の35〜40歳以上の人と自分が入れ替わっても、パフォーマンスを維持あるいは向上できるかどうかを考えてみるのです。

もし答えが「できる」もしくは「工夫次第でできる」なら、キャリアの距離感はかなり近いと言えます。

一方で「到底かなわない」「どうすればいいか想像もできない」という答えになるのなら、キャリアの距離感はかなり遠いと言えるでしょう。

転職するべきか、せざるべきかを考える

キャリアの距離感がわかったら、その結果に基づいて転職するべきか、せざるべきかを考えてみましょう。誰とどれくらいの距離感にあるかによって、結論は変わります。

以下の図表を参考に、自分がどんなポジションにいるかを見てみましょう。

②〜④は比較的判断を下しやすいのに対し、一番難しい選択肢が①です。転職してもしなくてもキャリアアップはできるので、結局転職すべきかどうかの判断が下しにくいのです。

このとき判断基準になるのが、「将来どんなキャリアを歩んでいきたいのか」という理想像です。そのキャリアと先輩や上司のキャリアが一致しているのなら、転職する必要はないでしょう。

一方で「今の会社の先輩や上司が思い描くキャリアを歩んでいない」「会社が用意しているキャリアパスと自分のキャリアプランは合わない」といった場合は転職を検討する価値は十分にあります。

転職活動に失敗したくないのであれば、他者とのキャリアの距離感を踏まえたうえで、自分のポジションに合った選択をするようにしましょう。

「35歳の転職」は慎重に計画しよう

「転職35歳限界説」が本当かどうかは置いておいて、35歳前後の転職に一定のリスクがあるのは本当です。

リスクをなるべくおさえるには、自分の実力や実績に合った選択をする必要があります。その方法の一つが今回紹介した、他者とのキャリアの距離感を知ることです。

「そろそろ転職するか、今の職場で続けていくかを決めたい」と考えている人は、ぜひ試してみてください。

「どうにも自分のことはわからない」という場合は、信頼できる転職エージェントに頼るのも一つの手です。とにもかくにも、「35歳の転職」は慎重に計画するようにしましょう。