#キャリアプラン #転職
転職時の採用面接でよく聞かれる質問のひとつにキャリアプランがあります。本記事では、求職者のキャリアプランの重要性や、なぜ質問されるのかの理由をわかりやすく解説します。転職で役立つキャリアプランはどのように描けばよいのかや、求職者の年代別でのキャリアプランの答え方(例文付き)とポイントも紹介します。
目次
- キャリアプランの重要性
- 【例文付き】キャリアプランの答え方とポイント
- 転職の採用面接でキャリアプランを聞かれる理由
- 面接官が確認するキャリアプランのポイント
- 転職で役立つキャリアプランの描き方3ステップ
- まとめ
キャリアプランの重要性
キャリアプランとは、自分が今後、どのような経歴(キャリア)を歩んでいくのかを描いた計画(プラン)のことです。現在地と将来的に目指すゴールとを明確にすることによって、自分の能力やスキルで何が不足しているのか、ゴールに到達するためには何をしなければならないのかが可視化されます。その結果、仕事に対するモチベーションアップに直結し、ひいては思い通りの人生を実現するのに役立ちます。
一般的にキャリアプランは5年間あるいは10年間などの中長期で考えます。転職活動では、採用担当者から「5年後、10年後にどうなっていたいのか」を質問されることも多く、面接対策としても見逃すことはできません。採用担当者が、キャリアプランについて質問するのは、求職者に計画性があるのか、自己分析はできているのか、といったことを知りたいためです。
【例文付き】キャリアプランの答え方とポイント
上述した通り、採用面接でキャリアプランについて質問されることはめずらしくありません。企業が人材に求めるスキルやキャリアは年代(ステージ)によって異なります。ステージごとに適した回答ができれば、採用担当者に与える印象はアップします。
20代前半:第二新卒の場合
企業が20代前半の第二新卒に求めているのはポテンシャルです。実務のなかでさまざまな経験を積みながら成長してほしいと考えているため、仕事に対する意欲や積極性、柔軟性などをアピールすることが有効です。
・回答例文
「20代のうちにさまざまなプロジェクトへ積極的に参加し、より高度なITスキルを習得してプログラミングのエキスパートになりたいと考えています。専門性を磨くだけでなく、クライアントの意向を汲み取り、柔軟な対応ができるように幅広い知識も身につけたいです」
ポイント1:理想の将来像を明確にする。
ポイント2:いつまでに何を達成したいのかを明確にする。
ポイント3:企業のニーズを把握したうえで、理想の将来像へ近づくために実行すべきことを伝える。
20代後半~30代前半:中堅の場合
20代後半から30代前半の人材に企業が求めているのは、即戦力として活躍できるスキルや経験です。それまでに培ってきた知識やスキルを生かして、どのような形で企業に貢献できるのかを具体的かつわかりやすく伝えることが重要です。キャリアプランのほかに、課題解決能力や新たな環境への適応能力などをチェックされることもあります。
・回答例文
「IT業界でエンジニアとして10年間培ってきたスキルと経験があります。これらを生かすことで、御社においても即戦力となって、5年後にはプロジェクトリーダーに指名していただけるよう頑張ります。前職では、所属していた部署全体の業務フローの課題抽出と改善を実行し、当該年度において30%の売上向上を達成しました」
ポイント1:いつまでにどうなりたいのかを盛り込む
ポイント2:具体的な成果(数値)を交えて、即戦力であることを示す
ポイント3:課題解決能力があることを、エピソードを交えて伝える
30代半ば~40代:管理職などの場合
30代半ばから40代の管理職などに企業が求めていることは、実務経験に裏付けされたマネジメントスキルや高度な課題発見能力、そして解決能力です。このステージでは、組織にとって重要な意思決定に関わるポジションに就くことも多いため、経営に関する知見も求められます。
・回答例文
「現職では部長職として5年以上の経験があり、育成した部下は20人以上に上ります。業務面においては、五つの新ブランドの立ち上げに携わり、うち1ブランドは全社売上の15%を占めるまでに成長させることができました。これまでに培ってきた経験とスキルを生かして、御社でも5年以内に3本以上の新ブランドの立ち上げを主導し、主力商品に育て上げられればと考えています。現職で部長職にあることもあり、経営会議においては経営層と意見を戦わせることも多々あります。今後はより経営的な視点から売上向上や人材育成に貢献できるよう、いっそう励んでいきたいと考えています」
ポイント1:マネジメントスキルがあることを示す。
ポイント2:現職での具体的な業務内容と実績を示す。
ポイント3:経営に関する知見があり、マクロな視点をもっていることを示す。
転職の採用面接でキャリアプランを聞かれる理由
企業が求職者に対してキャリアプランを尋ねる主な理由は、入社後のミスマッチを回避するためです。仮に企業が目指している未来と、求職者の描くキャリアプランとが大幅に乖離していれば、人材を採用したとしても早期離職につながってしまうかもしれません。人材の採用や育成には多大なコストがかかっており、ミスマッチによる早期離職が発生すれば、採用側の企業には大きな痛手となります。さらに人材の定着率が下がってしまい、今後の求職者にネガティブな印象を与えかねません。こうした理由から、企業では事前に求職者のキャリアプランを確認しています。
面接官が確認するキャリアプランのポイント
面接官が採用時に重視しているポイントは、
- 求職者のキャリアプランが具体的であるか
- 正しい自己分析のもとでキャリアプランが立てられているか
- 目標設定や計画性に無理はないか
といったことです。
具体的なキャリアプランになっているか
曖昧なプランでは、採用側である企業のビジョンと求職者の方向性とが一致しているのかどうかを見極められません。求職者は具体的な計画を提示する必要があります。ただし、入社前の時点で具体的なプランを練るのは困難であり、組織の風土や具体的なビジョン、業務への取り組み方など、入社してみなければわからないことは数多くあります。こうした状況においても、求職者が知り得る情報のなかから、どのようなキャリアプランを描いているのか、そのプランに具体性はあるのか、といった部分を企業は見ています。プランを作成する際には、培ってきた経験を棚卸して、実現性の高い、より具体的な内容にすることが重要です。
正しい自己分析ができているか
自己分析が正しくできていないと、描いた将来像が無理のあるものになっているかもしれません。面接官は、求職者のキャリアプランが正しい自己分析のもとで作られたものかどうかも見ています。裏を返せば、求職者に自己分析力があるのか、現状認識能力があるのかということを知りたいと考えています。実現が難しいプランを描いている場合には、十分な自己分析ができていない、あるいは自分の能力を過大評価している、などと判断されてしまう可能性があります。
目標設定や計画性に無理がないか
上述した「具体的なキャリアプランになっているか」と一部、重複しますが、求職者が描いているプランに適切な目標が設定されているのか、実現するまでの計画に無理はないのかは、面接官が重視する3つめのポイントです。目標設定能力や計画性の有無は、実務の結果を大きく左右するといっても過言ではありません。たとえば計画性がなければ、無理のあるスケジュールを設定してしまったり、過剰在庫や販売機会の損失を招いたりして、会社に損失を与えるかもしれません。言い換えれば、求職者がどのようにプランを組み立てているのかを知ることによって、仕事がデキる人材かどうかを面接官は判断しようとしています。
転職で役立つキャリアプランの描き方3ステップ
転職で役立つキャリアプランを描く際には、
(1)将来の理想像を描く
(2)現在の自分と理想像のギャップを明確にする
(3)ギャップを埋めるための具体的なプランを作成する
の3ステップで進めることをおすすめします。
1.将来の理想像を描く
プランを描く際には、はじめにゴールとなる将来の理想像を明確にすることが重要です。これにより、どこへ向かうのか、どのように向かうのかがはっきりとし、そのために何をすべきかが見えてきます。
ただし、ゴールがあまりにも遠い未来だと、正しくイメージすることは困難です。プランを描くときには5年後あるいは10年後程度が適切です。「5年後には〇〇関連の最上級の資格を取得したい」「10年後には××部を統括して、前年度比売上で10%増以上を継続したい」など、具体的にイメージしましょう。
プランは実現可能でなければ意味がないことは上述した通りです。絵に描いた餅とならないよう、その企業で理想の未来を手に入れられるのかをよく考えましょう。
2.現在の自分と理想像のギャップを明確にする
次に行うべきは、自分の現在地を明確にすることです。現在地とゴールとのギャップを可視化することで、現在の自分に何が足りないのか、理想を実現するためには何をすべきなのかが見えてきます。ここで、上述した「正しい自己分析ができているか」が問われることになります。このフェーズでは、自分を過大評価しすぎない、偽らないことを強く意識するようにしてください。現実から目をそらしてしまえば、理想的な将来には近づけません。厳しい視点で、できることとできないことを正確に把握することが求められます。
3.ギャップを埋めるための具体的なプランを作成する
最後のステップは、明らかになったギャップを埋めるために具体的な計画を練ることです。ここで大切なのは、最終的なゴールまでの区間をあまり長くはないスパンで区切って、目標を設定することです。たとえば役職であれば、1年後にはプロジェクトリーダーに、3年後にはプロジェクトマネージャーに、5年後には部長に、といった具合です。まずは1年後の姿を実現するために、足りないスキルや経験などを抽出し、学習や実務経験を積む計画を立てます。
まとめ
採用面接ではキャリアプランについて質問されることが多く、回答が選考の結果を左右することもめずらしくありません。上述した3ステップで、転職に役立つ具体的なキャリアプランを作成し、万全の体制で面接に挑んでください。
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