どの仕事に就くとしても、ビジネスの場でのマナーは、社会人として最低限身につけておきたいことです。「身だしなみ」だけでなく、相手とのコミュニケーションへの配慮などが必要になります。
もちろん面接時にもこの「マナー」は大切です。面接官に対してはもちろん、その企業に訪問したときから意識しましょう。自分を上手にアピールするためにも、面接に臨む際の基本的なマナーを理解しておきましょう。
目次
- 面接前に最終チェックを 第一印象は合否の重要な鍵
- 受付から会社を出るまですべての言動が評価の対象
- 面接も“会話のキャッチボール”が大切 話しやすい雰囲気作りを心がける
- 質問も適切な場があることを心がけて 相手の立場を意識して、話す内容を考える
- コミュニケーションは相手の顔を見ることから 慣れていない場合は、顔の中心を見るように意識する
面接前に最終チェックを 第一印象は合否の重要な鍵
面接において、第一印象は非常に重要です。「対面して最初の15秒で印象は決まる。その第一印象を覆すには約2時間じっくり話し合わなければならない」というのが定説です。では第一印象を決める要素とはいったい何なのでしょうか。アメリカの心理学者アルバート・メラビアンは、1971年に話し手が聞き手に与えるインパクトの3要素と、それぞれの影響力について、調査結果を報告しています。
- 「視覚(見た目)情報=Visual」・・・55%
- 「聴覚(声のトーン)情報=Vocal」・・38%
- 「言語情報=Verbal」・・・・・・・・7%
この結果がすべての面接に当てはまるものではないですが、服装・髪型などの身だしなみや表情といった視覚的な情報が、印象を決めてしまう可能性が大きいことを表しています。「中身で勝負」と身だしなみを整えることをおろそかにして、自らチャンスを逸してしまうのは非常にもったいないことです。新卒・中途採用を問わず、面接でよい印象を与えるために、まず最低限、下記のような要素に気を配りましょう。
- 1清潔感
- ふけや埃がついていないか。アイロンがかかった服を着ているか
- 2表情が柔和であるか
- 仕事の疲れが顔に出ていないか。自然な笑顔を出せているか
- 3過度な嗜好品は避ける
- 派手な装飾品や香りのきつい香水をつけていないか
- 4人の話を聞く態度・姿勢
- 椅子に浅く腰掛けた状態で背筋を伸ばしているか。話に集中しているか
- 5快活さ
- 元気よく、明るい声で挨拶ができているか
あなたが持っている個性を生かすためにもまずは、相手を不快にさせない身だしなみを心がける、という姿勢が大切です。
受付から会社を出るまですべての言動が評価の対象
受付で訪問の趣旨を伝える際にも、丁寧な対応を忘れてはいけません。この段階から既に選考は始まっています。直接の面接官ではないからといって油断せず、お辞儀や挨拶はきちんと行いましょう。
いよいよ面接時。入室する際は、ドアが閉まっている場合は相手に音が聞こえる程度にノックをし、返事を聞いてから入室しましょう。そして、静かにドアを閉め、「失礼します」と一礼します。語尾を延ばす挨拶は避けましょう。先に面接室に通された場合は、勧められてから椅子に座り、面接官が入室したら立ち上がり挨拶をしましょう。
面接官は、人事担当や現場の担当者が忙しい仕事の合間に対応するケースがほとんどです。「お忙しいところお時間をいただきましてありがとうございます」など、相手を気遣う発言は好印象を与えます。
面接も“会話のキャッチボール”が大切
話しやすい雰囲気作りを心がける
人は一般的に、「聞く」という行為よりは「話す」という行為を好むといわれます。面接とはいえ、長時間話を聞くだけというのは大変です。つまり、面接官が楽しく話せる状況を作ることができれば、面接の雰囲気もぐっとよくなります。自己アピールなどが苦手であれば、面接官の会話を引き出す工夫することも、一つの手といえます。
質問も適切な場があることを心がけて
相手の立場を意識して、話す内容を考える
たとえば、営業統括部長が面接官の時に人事制度について質問したとして、正確な答えをいただけるでしょうか。大抵の面接官は困惑するのではないでしょうか。人事担当でなければ、人に説明できるほど人事制度に詳しい可能性は低いからです。ですから、人事制度や給与などに関する質問は人事担当者に、仕事内容や現場の雰囲気などに関する質問は現場の責任者に、今後の経営方針に対しての質問は役員や社長など経営陣に行うのが、適切な質問といえます。自分の上司となるような面接官に、全社の平均残業時間を質問をしても回答を得られるケースは少ないので、どうしても聞きたい場合は、人事担当者と話をする機会にうかがうようにしましょう。
コミュニケーションは相手の顔を見ることから
慣れていない場合は、顔の中心を見るように意識する
人とコミュニケーションをとる際、相手の目を見て話をすることは、基本中の基本です。ずっと目を伏せたり、きょろきょろしながら話をすることは、面接官によい印象を与えません。ただ、そうするべきだと分かってはいるものの、人の目を見て話すのは苦手、という方もいらっしゃると思います。確かに、長時間目を見て話をするのは緊張するもの。そういう場合は、相手のおでこや鼻を見るようにするだけでも、緊張感はかなり違ってきます。
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