在職中の転職活動は違法? 退職後に行うべき? やり方や成功のコツ

転職活動をするタイミングは、在職中と退職後の2つのパターンがありますが、基本的には在職中に転職活動をするメリットの方が大きいです。本記事では、在職中に転職活動をするべき理由をはじめ、在職中の転職活動のメリットとデメリット、進め方、成功のコツなどをわかりやすく解説します。

目次

在職中の転職活動は違法?退職後に行うべき?

転職活動をする時期は、大まかに在職中と退職後の2つが考えられます。しかし、在職中に転職活動を行うことが、法律違反にあたるのではないかと不安を感じている方もいるのではないでしょうか。結論から言えば、一般的に在職中の転職活動は違法ではありません。なぜなら、私たちは憲法によって「職業選択の自由」を保障されているからです。

ただし、同業他社への転職を考える場合には、社内規定の「競業避止義務(就業避止義務)」に注意が必要です。競業避止義務とは、「現職で知り得た社内の機密情報を利用して競合他社で高い地位を得る」など、従業員が所属企業へ多大な不利益を与えることを抑止するための義務です。これに違反すると、懲戒免職や退職金の不支給、損害賠償請求などの措置が取られるおそれがあります。

企業では就業規則で定めたり、従業員に誓約書を提出させたりしてこの競業避止義務を明文化しているのが通例です。たとえば、「退職後1年以内は同業他社へ就職しない」といった規定が該当します。

特に、自社商品の開発に関わっている技術職、顧客情報に触れることの多い営業職、地位的に機密情報にアクセスしやすい管理職などは、競業避止義務に注意が必要です。そのため、在職中に同業他社への転職を考える場合は、社内の規則や契約でこの義務が規定されているか確認するようにしましょう。また、勤務時間や会社のPC、電話を使用して転職活動を行うことは職務専念義務に違反するため、避けるべきです。

在職中に転職活動を行うメリット

在職中に転職活動を行うことには、多くのメリットがあります。まず、経済的な安定性を保つことができます。現職を辞めずに次の職を見つけることで、収入が途切れることなく維持できます。また、履歴書上の職歴に空白が生じることも避けることができます。

一方、退職後に転職活動を行う場合は、失業保険の受給期間や貯金の残額などに気を使い、焦りが生じることがあります。しかし、在職中の転職活動では、そういったプレッシャーにさらされずに、冷静な判断ができます。

さらに、現職を持ちながら転職活動を行うことは、「転職しない」という選択肢を含めた多角的な視点から自分のキャリアを見つめ直す機会を与えてくれます。これは退職後の転職活動では得られないメリットです。

在職中に転職活動を行うデメリット

他方で、在職中の転職活動にはメリットだけではなく、デメリットも存在します。最大のデメリットは、仕事と転職活動を両立する困難さです。

先述の通り、勤務時間中に転職活動を行うわけにはいかないので、在職中に転職活動をする場合は、プライベートの時間を大幅に削る必要があります。疲れて帰ってきた夜や、貴重な休日を転職活動に充てることは、体力的にも精神的にも容易ではありません。また、採用面接にあわせて有休を取るなど、スケジュールの調整も必要です。

仕事が忙しくて転職活動に手が回らない状況に陥ると、望む結果を得ることが難しくなる可能性もあります。その結果に対する落胆や挫折感が仕事にまで悪影響を与えることも考えられます。そのため、在職中の転職活動を成功させるためには、体力・メンタル・スケジュールなど、さまざまな面で自己管理をしっかり行うことが重要です。

在職中に転職活動をするべき理由

上記のようなデメリットが存在することも事実ですが、基本的には在職中に転職活動を行う方が望ましいです。なぜなら、退職後に転職活動に躓くと、職歴のブランクが長くなり、転職が難しくなる可能性があるからです。

また、退職後に転職活動が長引くと焦りが生じ、最終的に納得のいく転職をするのが難しくなるおそれがあります。もしそうなれば、後悔して「前の会社で勤め続けた方がよかった」という思いにつながりかねません。このように、計画的にキャリアを考え、自分が納得いく転職活動をするためには、経済的に安定した在職中に転職活動を行うことが適しています。

在職中の転職活動のやり方・進め方

では、在職中の転職活動はどのように進めればいいのでしょうか。仕事との両立などの難しさが伴いますが、転職活動の基本的なやり方や流れは在職中であろうとなかろうと同じです。以下では、転職活動のやり方・進め方を4つの段階に分けて詳しく解説します。

1. 情報収集と自己分析をする

まずは自己分析を行い、自分の能力や適性、将来のキャリアプランなどを明確にします。また、なぜ現在の職場から転職したいのか、その理由を改めて考えてみることも必要です。自分を深く把握することで、転職先に求めるものが明確になり、転職後の後悔やミスマッチを避けることができます。また、なぜそこに転職したいのか明確な理由を持って面接などで伝えることができます。

自己分析が終わったら、それに沿って「転職の軸」を設定します。これは、転職先を選ぶ際に何を重視するのかという指針です。具体的には、業種や職種、給与、福利厚生、ワークライフバランスなどが考えられます。

転職の軸が設定されたら、転職先の対象となる業界研究を行い、業界全体の動向や将来性、平均年収などを調べます。特に未経験の業界や職種にチャレンジする場合は、調査を入念に行うことが必要です。場合によっては、資格勉強などからはじめた方がいい場合もあるかもしれません。

2. 求人を探し、必要書類を用意して応募する

業界研究が終わったら、次は求人情報を探し、転職の軸になるべく合致する転職先を探します。興味のある企業を見つけたら、履歴書や職務経歴書などの必要書類を準備して応募しましょう。

特にクリエイティブな職種の場合では、制作実績を示すポートフォリオの提出が求められることがあります。職務経歴書やポートフォリオは、自分のスキルや転職先でどのような貢献ができるのかをアピールするための重要な資料ですので、作成に際しては内容をよく考えるようにしましょう。また、書類の作成に際しては、応募要項の指定事項をよく確認するようにしましょう。

3. 選考を受け、内定を得る

応募後は選考プロセスに進みます。面接対策を行い、自分の強みや意欲を効果的に伝えることで内定を獲得することを目指しましょう。もし他の応募先と面接のスケジュールが重なった場合は、優先度の高い企業から調整することが重要です。また、面接日が平日の場合は、今の職場に有給休暇を申請するなどの対策も必要です。

面接の場は、その企業について直接知ることのできる貴重な機会です。求人情報だけではわからない具体的な仕事内容などについて積極的に質問するようにしましょう。可能であれば職場訪問をお願いし、実際に職場の雰囲気を確認することもおすすめです。職場の人間関係や社風になじめないなどの理由から転職後に後悔するリスクを避けやすくなります。

4. 退職の意思を伝え、退職する

内定を得たら、現在の会社に退職の意思を伝える必要があります。最低でも1カ月前までに伝えるのが一般的ですが、引き継ぎなどの事情によっては早めに伝える必要がある場合もあります。同僚や取引先などに迷惑をかけないように、退職を伝えるタイミングや方法には注意が必要です。

こうした配慮が重要なのは、社会人のマナーとしての面はもちろん、転職先によっては、もしかしたら今後も仕事で関わる機会があるかもしれないからです。そのため、良好な関係を保ったまま退職できるように、退職時には重ねてお世話になった感謝を伝えるようにしましょう。

在職中の転職活動を成功させるコツ

短期集中で挑む

転職活動は3カ月程度の短期間で成果を出せるように、集中的に取り組むことをおすすめします。特に在職中の転職活動の場合、日々の業務に流されて、いつのまにか転職へのモチベーションを失ってしまうことがあるからです。また、転職活動をする際には面接や職場見学などのために有給休暇を取得せざるを得ないこともありますが、転職活動が長引くと、有給休暇を使い切ってしまうおそれがあります。

職場に気付かれないように注意する

次に、転職活動を職場に知られないように注意が必要です。冒頭で述べた通り、在職中の転職活動は基本的に違法ではありません。しかし、職場の上司や同僚などからすると、快く思えないこともあります。そのため、自分が転職活動をしていることが職場にバレてしまうと、職場での居心地が悪くなってしまう可能性があります。また、転職活動に支障が出る可能性も否定できません。

転職エージェントを活用する

限られた時間の中で効率的に転職活動を進めるためには、転職エージェントの活用がおすすめです。実績豊富な転職エージェントに相談することで、あなたの希望や適性に合った求人情報を提供してくれるだけでなく、応募書類の作成や面接対策のサポートも行ってくれます。また、転職エージェントを活用することで、非公開求人にアクセスできる可能性もあります。

【Q&A】在職中の転職活動に関するよくある質問

在職中の転職活動はバレる?

在職中の転職活動は、些細な変化や行動から職場に気付かれる可能性があります。たとえば、「スーツで出勤することが増えた」「有休や早退が増えた」などの変化から、転職活動を疑われることがあるかもしれません。同僚にうっかり話してしまったり、転職活動の電話を聞かれたりすることがないよう注意が必要です。

在職中に転職先が決まったときの伝えるタイミングは?

繁忙期を避けるなど、できるだけ会社の迷惑にならないタイミングを狙いましょう。引き継ぎなどを考慮すると、退職希望日の1カ月~3カ月前に伝えると迷惑がかかりにくいです。

在職中の転職活動が辛いとき、誰に相談すればいい?

家族や友人など、プライベートで信頼のおける方に相談することをおすすめします。実務的な助言やサポートを受けて転職活動を一刻も早く成功させたいなら、プロの転職エージェントに相談するのが効果的です。

基本的に、転職活動は在職中に行うのがおすすめです。ただし、仕事との両立は大変な部分もあるので、転職エージェントを積極的に活用するなどして、効率的に転職活動を行えるように工夫しましょう。

一般的には在職中の転職活動に法的な問題はありません。実際には、経済的に安定した状況で、気持ちに余裕を持って転職活動を行えるという大きなメリットがあります。他方で、在職中の転職活動には、仕事との両立が大変などのデメリットがあることも否定できません。
そのため、在職中の転職活動に際しては、自己管理をしっかりしながら、転職活動に必要な一連のステップを効率的に進めることが必要です。在職中の転職活動では、疲れや辛さを感じることもあるかもしれません。そのような場合には、家族や友人、またはプロの転職エージェントなどに相談して乗り越えましょう。

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