転職で後悔しないためのコツ！ 後悔する人の割合や特徴､理由も解説

転職には不安がつきものですが、転職後に実際に後悔している方の割合はどれくらい存在するのでしょうか。本記事では、転職後に後悔する人の割合やその理由、そして後悔しないためのコツを紹介します。転職を成功させるためにぜひ参考にしてください。

目次

• 転職で後悔する人の割合
• 転職後のよくある後悔の理由
• 転職で後悔しやすい人にありがちな特徴
• 転職で後悔しないためのコツ
• それでも転職で後悔しないか心配な場合は？

転職で後悔する人の割合

厚生労働省が2020年に行った調査によると、転職して後悔した人の割合は、およそ10人に1人とされています。
具体的には、調査対象者のうち、転職先の職場生活全体への満足度で「やや不満」と回答した人が8.8%、「不満」が2.6%です。
また、やや不満・不満を合わせた「不満足」の割合は男性の9.9%に対し女性が13.4%と高く、他には事業所が小規模なほど不満が多い傾向にあります。

転職先の各項目における満足度を見ると、最も「不満足」の割合が多いのは男女ともに「賃金」で、男性が25.1%、女性が29.9%に上ります。
次に「労働時間・休日・休暇」、「人間関係」で不満が多く、この2つについては男女で大きな差が見られます。具体的には「労働時間・休日・休暇」で不満を持っている男性が12.8%にとどまるのに対し女性は21.0%であり、1.5倍以上の差があります。「人間関係」では、男性が11.0%に対して、女性は18.5%が不満を抱いています。

転職後のよくある後悔の理由

人間関係がうまくいかない

先に紹介した厚生労働省の調査結果からもわかるように、転職先で人間関係に不満を持つ方は多く見られます。
人間関係がうまくいかない原因のひとつは、「体育会系な雰囲気」や「成果主義」といった職場のカルチャー・企業風土に馴染めないことです。また、直属の上司や先輩など、個人間の関係構築に失敗してしまうことも起こりえます。たとえ給与などの待遇が改善されても、職場の人間関係に問題があればストレスを受けやすく、後悔することになりかねません。

職場の雰囲気や人間関係は入社してみなければわかりにくい部分もあります。面接時に社員同士の人間関係を推し量れるような質問をする、職場見学で雰囲気を味わっておくといった事前確認をすることが重要です。

自己分析が不足していた

転職活動に際して自己分析が不足していたことも後悔の原因になりえます。「現職の何に不満を持っているのか」「転職先に何を求めているのか」「自分は何ができるのか」などの自己分析は転職活動のファーストステップです。

自己分析が不足していると自分の能力や適性、キャリアビジョンにそぐわない転職をしてしまうリスクがあり、結果的に転職後の後悔につながります。新しい職場でも、結局は前職と同じような壁にぶつかる可能性も否定できません。

仕事内容や労働条件をよく理解していなかった

仕事内容や労働条件を十分に確認していないと、「手取りが少ない」「残業が多い」などの問題に直面することがあります。実際、先に紹介した厚生労働省の調査でも、転職先で最も不満足の割合が多い項目は「賃金」で、次に「労働時間・休日・休暇」です。

労働条件通知書を熟読していなかったり、面接や採用過程で疑問点をしっかり確認しなかったりすると、こうした失敗を招きやすくなります。

経験やスキルが生かせない

仕事で必要とされるスキルは企業や現場によって異なるため、新しい職場では自分の経験やスキルを生かせない場合があります。これはたとえ転職先が前職と同じ業種・職種であっても同様です。
そのため、以前より高いレベルを求める職場に転職すると、自身分が思っていたような成果を挙げられず、自信を失う可能性があります。
とくに新しい業種や職種にチャレンジする場合は、理想ばかりにとらわれて自身と仕事の相性や能力不足となるリスクを見落としやすくなります。

転職で後悔しやすい人にありがちな特徴

調査不足のまま転職してしまう

転職で後悔する多くの方に共通しているのは、転職先についての調査が不足していることです。転職先の情報を把握せずに未知の環境に飛び込むことは、リスクの認識や覚悟がない状態での行動になります。
職場のカルチャー、仕事内容、労働条件、将来性など、重要な情報を把握していないことは、理想と現実のギャップを生み出す大きな原因となります。

退職してから転職活動をする

退職してから転職活動をはじめることが、後悔の原因となるかもしれません。退社後には再就職までの期間、失業保険の給付を受けられますが、自己都合では一定の待期期間があり、受給期間にも限りがあります。
新しい仕事が決まらない状況が続くと、経済的な負担が増えるだけでなく、経歴に空白期間を作りたくないという焦りを生みがちです。その結果、熟慮せずに転職先を選んでしまい、入社後に後悔するリスクが高まります。

職場の不満を転職で解消しようとする

転職の動機が「現職での不満を解消するため」というネガティブな理由であることも、転職後に後悔しやすい方の特徴です。「今の職場から離れたい」というのは退職の理由にはなっても、転職の理由としてはふさわしくありません。

積極的に新しい職場に就職する魅力や価値を感じていないと、長期間にわたって働き続けるモチベーションを保つのは難しくなります。その結果、新しい職場に対しても不満を感じやすくなり、またすぐに辞める悪循環に陥る可能性があります。

転職で後悔しないためのコツ

出戻りは難しい！「本当に転職すべきなのか」熟慮する

「本当に転職すべきなのか」という問いは、転職を検討する際の重要なステップです。
まずは自分のスキルや経験、価値観、キャリアプランなどを見直し、現職の不満が本当に転職で解消できるものなのかを明確にしましょう。また、「漠然とした不安や一時的な不満から転職を望んでいるだけではないか」と自問自答することで、冷静な視点を保ち、具体的な改善策を探すことが可能となります。

転職したあとになって、以前の職場が自分に合っていたと気づくことは少なくありません。しかし、会社の採用計画などの状況によっては出戻りが困難な場合もあります。それでも再入社できる可能性を残せるよう、転職の際にはなるべく人間関係を良好に保って円満退社しておくことが大切です。

転職の軸を明確にする

転職を成功させるためには、事前に「軸」を明確に設定することが重要です。
「転職の軸」とは、転職先を選ぶ際に重視するポイントを指します。具体的には、仕事内容、賃金、雇用形態、勤務地、勤務時間、職場環境、ワークライフバランス、福利厚生、人事評価制度、経営方針などが挙げられます。

自分の希望をすべて満たす企業を見つけるのは現実的には困難です。だからこそ、これらの要素をそれぞれどのくらい重視するのか、優先順位をつけて熟慮することが、後悔しないためのポイントとなります。

自己分析・情報収集をする

「転職の軸」と同様に、自己分析や転職先の情報収集を綿密に行うことも重要です。自己分析を通じて、自分の能力、関心、価値観、キャリア目標などを明確にし、それに適した企業と出会える可能性が高めることができます。

転職先の情報は、求人情報や企業のウェブサイトだけでなく、口コミサイトや知り合いからの紹介など、複数の情報源を通じて収集することをおすすめします。とくに、転職先の従業員や関係者から直接話を聞くことで、職場の人間関係や働きやすさなど、社外からは見えにくい情報を得ることができます。

綿密に条件確認、交渉をする

転職を成功させるためには、労働条件の確認と交渉も非常に重要です。とくに労働条件通知書では、就業規則、給与体系、勤務時間、休日・休暇、福利厚生など、具体的な労働環境を把握することができます。

求人票や労働条件通知書などに重視したい要素の記載がない場合や、自分の希望に合わない条件がある場合には、遠慮せずに交渉しましょう。結果的にミスマッチを避けられます。このプロセスを通じて、自分のキャリアをよりよくするための準備を整え、転職後に後悔するリスクを減らすことができます。

それでも転職で後悔しないか心配な場合は？

転職は人生を左右する決断であり、自分だけの対策では不安を感じる方も多いかもしれません。
そのような場合には、転職エージェントの活用がおすすめです。数多くの転職をサポートしてきたエージェントは、失敗や後悔をしやすいポイントを熟知しています。

転職エージェントに相談することで、より深く自分を見つめなおし、的確な自己分析が可能となります。また、転職エージェントは、企業のカルチャーなどの一般には知られていない情報を提供してくれるかもしれません。もちろん、応募書類の書き方や面接の受け方など、希望の企業に合格するためのテクニックを身につけるためにも強力な味方となるでしょう。

転職後には、およそ10人に1人が後悔しているとされます。こうした後悔を避けるため、転職先の情報収集や条件交渉などの努力が欠かせません。さらに、転職の軸を明確にし、自己分析を徹底的に行うことが重要です。これにより、自分に合った職場を見つけ、後悔しない転職を実現できます。

もし自分だけでの転職活動に不安を覚えている場合は、転職エージェントへの相談がおすすめです。転職エージェントの専門的な知識と経験は、転職を成功に導くための助けとなります。